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予約キャンセルを歓迎できないわけ

☆どこの紫陽花も、もう一番きれいなときを過ぎてしまいましたが、今まで本当によくわたしたちの目を楽しませてくれました。散歩中に撮りました。
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 どこの治療院でもそうだと思いますが、予約を簡単にキャンセルする患者さんがいますが、これはあまり歓迎されません。もちろん、どのくらい前かにもよりますが、ひどい場合は、当日の直前のキャンセル「ドタキャン」です。どんな理由であろうと、大変迷惑がかかることは、どなたでもわかると思うのですが、このような例は時々あることがあります。治療院は、治療の性格から病院や整骨院と違って、多くの患者さんを扱っているわけではありません。予約は、ひとつの契約だと思っていますから、ある程度の確実性が要求されます。もちろん、あまり厳格ですと、誰も予約は控えたくなりますので、予定がわかる範囲でお願いしています。もちろん都合が付かなくなった場合は、変更はこちらもやもう得ないと思っています。ただ、一度予約をいただいた患者さんから、キャンセルというのは、ちょっと、治療院としては、やりきれないものがあるのです。特に、「八倉治療院」の場合は、事情があって、一日限定3人の患者さんしかスケジュールに入れていない場合は、普通考えたら、その日、予約の患者さんが多い場合は、他の日に回っていただいたり、どうしてもその日でなければダメだという患者さんには、失礼を承知でお断りすることもあるのです。ですから、やっぱり、治療院をやりくりしていく上でいろんな面で困ってしまいます。

 もうひとつ大きな理由があるのです。皆さんは、「治療者は、普通いつから治療が始まり、いつ終わるかわかりますか?」これはあくまで治療者から見てのことですけど。もちろん始まるのはわかります。初診日です。患者さんにはじめてお会いし、問診や診察させてもらってから治療が始まります。ではいつ「終了」と考えるのでしょうか?これは、患者さんが考える「終了」と、治療者が考える「終了」では、時点が違っているのです。患者さんの終了は、症状がなくなり楽になった時点が終了です。ところが、治療者はそうではありません。特にわたしの場合は、すごくはっきりしています。わたしの場合は、患者さんが、次の予約を入れてくれると、予約の日まで、ずっと患者さんの症状や治療のことを考えています。治療がうまくいっているときでも、うまくいっていないときでも同じです。次は、どんな治療がいいかどうしても頭の中で考えてしまうのです。もちろん、治療がいい結果を生み出していないときは尚更です。一生懸命、ネットでいろんな情報を引き出したり、専門書を引っ張りだしたりして、いろんな角度から、徹底的に調べます。その上で、じゃあ次の治療日には、どのような治療をさせてもらおうかと、少なくとも前日まで思案を巡らせます。ですから、結構治療する前から治療が始まっているような状態なのです。では、いつ治療が終了するのでしょうか?

 わたしにとっては、予約は患者さんとの一種の「契約」なんです。それは単に治療の「契約」というより、わたしにとってはもう少し重くて深いものなのです。でもこういう場合もあるのです。患者さんのからだの状態が、本当によくなって、次の治療が必要なくなってしまうということも、実際あるようなんです。だから、この場合、患者さんの立場から「もう必要ないから、キャンセル」という場合だってあると思うんです。確かにそういうケースも非常に多かったことも確かです。でも正直にそういってもらえると、私の気持ちは不思議と収まりがつくのです。そのときは正直いってがっかりしますが、「あそう、じゃあもう考えなくてもいいんだ」ていう感じです。でも理由が訳が分からなかったりすると、やっぱり、「どうしてキャンセルなんだ?!」って、実に不条理な気分を味合うことが多いのです。ですからそういう経験を踏んでくると、少しわたしのほうも学習しまして、自分にとっても、なるべく楽な方法を編み出したのです。それは、次回の予約のない患者さんには、「それで、ひとまず治療は終了」ということにしたのです。そうすれば、もうその患者さんについては、次に電話がかかってくるまで、もう治療方法も何も考えなくてもいいことになります。次回の予約を入れてくれた患者さんのことだけを考えればいいということになると、わたしには、とても気が楽になるのです。何か、私の性格って変わっているでしょう。

 でも、そうですよね。きてくれる患者さんに対しては、最大限に考えていく必要がありますが、きてくれない患者さんに対しては、もう何も考える必要もないわけです。これは、世間では当たり前のことですが、わたしのような人間には、こういうふうな割り切りができるまでは、大変なことでした。こういうのを心理学の世界では「合理化」というらしいのですが、やはり合理化も大切なことだと思います。特に私のような性格や考え方をする人には、とても大切なことなのです。でも、私と付き合いが長くなった患者さんは、私のことがよく理解されてくれるのか?または、私と同じような性格の患者さんが残るのかしりませんが、みなさん、とてもよく心得ていて、いくら「予約」を入れたい場合でも、あまり確実でない時には、無理には予約を入れません。しかし、しっかりと「治療継続」の意志を伝えてくれますので、わたしのほうでも勝手に頭の中で「治療終了」をしません。ただ、なかなかこのように患者さんとの相互理解は、時間がかかりますので、八倉治療院では、「予約キャンセル」は、原則として、特別な理由がないかぎりなるべく「予約変更」というかたちでお願いすることにしています。面倒なやつですいませんが、どうぞよろしくお願いします。