鍼治療の効く効かないは、うつところではなくて、うつ人で決まる

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 鍼灸師のわたしが、こんなことを書くと語弊があるかもしれませんが、鍼にも効く鍼と効かない鍼があります。わたしがそんなことをいう前に、患者さんでも「鍼は効く」と思っている人と、「鍼は効かない」と思っている人におおかた分かれているようです。わたしには「どちらも真実である」と思えます。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

 わたしは鍼灸の世界に入り、専門学校で学びはじめてから、ずっと「効く鍼」と「効かない鍼」の違いは何かを探し求めてきました。入学した学生は、経穴(けいけつ)といってツボの勉強からはじめます。ツボって何か?ツボはどこにあって、症状により、どこのツボを使うのか。この経穴には、どのような効果が得られるのか。そのようなことを何時間もかけて勉強します。そうして実際に実技学習で、自分のからだや、生徒同士で人のからだに鍼をうちはじめます。もちろん勉強をはじめたばかりの学生ですから、下手で当然ですが、それでもこの時期から、鍼の扱いのうまい下手がとても顕著にあらわれます。

 いつも患者さんにお話ししていますが、鍼は基本的には痛くはありません。わたしたちが使う鍼は、病院で使う注射ばりでもなく。裁縫に使う裁縫ばりでもありません。「和鍼」といって太さが0点何ミリの髪の毛くらいのしなやかな、やさしい鍼なのです。ところが、時としてさした瞬間に「切皮痛(せっぴつう)」といって、つねられたような痛みを感じることがあります。

 これは「鍼管(しんかん)」といって、鍼を痛くないようにうつために補助として作られた筒を、「押し手」といって支える方の手が、皮膚をよじってしまう時があります。そのよじれた皮膚に鍼が刺さっていく時にこのような痛みを発することがあります。これは、不慣れな鍼灸師のミスです。でも切皮痛は皮膚の表皮がとても薄くて繊細な方に多く。ほとんどの方は、大丈夫です。でも初心者で鍼を使い慣れていない学生には、このようなことはたくさん起こります。これは、まだ「効く鍼、効かない鍼」の次元ではありません。

 ではなぜこのような例をあげたかともうしますと、鍼灸師でも、うまい下手の多少の技術の差があることも確かなことです。ところが、効く効かないというのは、はりを刺すのがうまいか下手かにはあまり関係がないようです。野球でも、コントロールのいいピッチャーが、必ずしも勝利に導くかといえばそうばかりではにのと同じです。

 しかし、ある一定の技術を身につけた鍼灸師なら、経穴を見つけほとんど同じ鍼をそこにうつわけですが、効く効かないがあるのはなぜでしょう。例えば、胃痛にほとんどの鍼灸師は、「足三里」という経穴を使うわけですが、それでもよくなる場合とよくならない場合があります。では、それ以外の経穴として「中カン」や「内関」を合わせて使ってみるとか、鍼灸師は、それぞれ勉強したことや臨床経験をもとにいろんな配穴を考え、治療を試みます。結果的には、それでも効く鍼と効かない鍼治療に結果の差があらわれます。本当に不思議なことですが、著名な鍼灸師の本と同じような配穴にそって治療を試みたとしても、結果を残せる鍼灸師と、結果を残せない鍼灸師がいるのです。

 つまり、鍼に技術的な、うまい下手はあるかもしれませんが、「症状を改善する。病気を治す」といった臨床的な意義から考えると、すごい差が厳然と存在することになります。わたしもはじめのうちは、「取穴(しゅけつ)」といってどれだけ正確に経穴の場所を捉えられるのか。とか、「配穴(はいけつ)」といって、どのように経穴を選んで組み合わせていくか。ということばかりに意識し、「効く鍼」を研究しました。一生懸命に本を読みあさり、研修会等に参加して研究しました。でも、どうも答えはそこにはなかったような気がします。鍼治療には、これといった絶対的なセオリーはありません。鍼灸治療で最も大切なのは、「鍼治療の効く効かないは、うつところではなくて、うつ人で決まる」ということなのです。

 これはすごい結論だと思いませんか。これは、ある面、過酷といえば過酷な話です。この世にはたくさんの鍼灸師がいます。効く鍼灸師の鍼は、ほとんど、どこにうっても、何をやっても効くのですが、効かない鍼灸師の鍼は、どこにうっても、何をやってもうまくいきません。「まったく効かない」ということは絶対にありませんが。効く鍼灸師のやっている治療院は、ほとんど症状が治まり、病気が治ることが多いのですが、それに対して、効かない鍼灸師のやっている治療院は、いつ行っても、何回行っても、さほど症状はさほど改善しないし、病気も治らない。ということは往々にしてあります。わたしもこれを書いていて、ちょっとおそろしい気がしてきましたが、じつは、これは本当の話であり、これが鍼治療の世界では現実のお話です。

 それでは最終的に次のような疑問が残ります。「では、効果を発揮することができる鍼灸師って、どのような鍼灸師ですか?」っていう疑問です。でもさすがにここまで書いてきたわたしも、これ以上は、ちょっと勇気が必要になってしまいました。せっかく核心にきたところですいませんが、もう少し結論は待って欲しいと思います。
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by yakura89 | 2012-09-20 20:10 | 鍼灸指圧マッサージ | Trackback | Comments(25)
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Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-18 21:55 x
はじめまして。私は臨床歴40年の66歳男性鍼灸師です。
祖母の代から3代目です。
鍼灸の効果については、プラセボ効果のみしか期待できないといった記事を見ますと、何と幼稚な意見と何時も思ってしまいます。
鍼灸と言えば、誰しもがツボに鍼を刺すイメージあるのか、そういった事を基準にして論じている科学者(医者も)が多く、科学的といっているその方々自身が、非常に科学的でない手法をもって判断しているのにはあきれて物が言えません。
鍼灸治療と言うのは2次元的ではなく、3次元(時間を入れると4次元でしょうか)で考えるべきであって、現在の科学的といわれる2重盲検法などは何の意味もないです。
そういう方法では検証できないんです。
愁訴、触診、聴診(特に心音、凝れ物凄く大事です)等、その他の診断法に基づいて、治療点はここだと2次元的に位置を探り、その凝りの深さ程度などによって刺激量を決め、適切な治療(敢えて私はこう言います)をすれば劇的に奏功します。
これを数値化することは殆ど不可能でしょう。

余談になりますが、実は私はもともと工学部電子工学専攻の技術者でして、科学的な考え方と言うものにはある程度自信を持っております。
臨床はじめの頃に、電子聴診器を自作しまして幾多の患者さんの心音を録音させてもらい、毎日其れを聴いて研究しました。
勿論自身の心音(平熱時、発熱時)も録音し、研究しました。
もともと録音技師で、60年の音楽歴(クラッシックギターを本格的にやっておりました。
そのお陰で多数の心疾患(子供も含む)を発見し(医者からは全く正常と言われていた)、とても喜んでいただきました。
またこの患者さんの心臓は将来的には必ず障害が出てくるだろうなと言うような事も予見できました。今その患者さんは後悔なさっています。
また副腎腫瘍による高血圧患者さんもみつけ、大変喜んで戴きました。

因みに、兄弟には医療従事者が多く、長兄が心臓外科医、3兄が臨床検査技師、義姉が看護師という恵まれた環境にあったのも幸だったかもしれません。

まだまだ40年の歴史を振り返りますと、とても書ききれないのでこの辺で止めておきます。
鍼灸治療は非常に優れた治療法です。西洋医学と手を携えればいいのですが、理解のある医師はとても少ないです。
残念ながら・・・・・・

長文で大変失礼しました。
Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-19 06:38 x
一寸書き足りませんでしたので、改めて書き込ませていただきます。

結論から申しますと、「効く鍼」、「効かない鍼」、全く仰る通りだと思います。
「単純性凝り」なのか「症候性凝り」、はたまた「精神的なものから来る凝り」なのか等、正しく診断できれば(3次元的に把握していれば)殆ど治療出来たも同然です。
「精神的なものから来る凝り」に関しましては、薬を使ったほうが良い場合が多いので、私は精神科にかかられる事をお勧めしてきました。鬱から来る凝りの場合はどんなに治療しても戻ってしまう場合が多いですから。
鬱で腰痛や肩凝り(端的に言いますと全身凝ります)がおきる事を患者さんにお話しますと、驚かれる場合が多いです。
(医者も知らない人が多いです)
従いまして私は「鑑別診断」を非常に重視しております。
内臓疾患などから来る凝りは「少し時間がかかりますよ」といった事をはじめに説明しておきます。
私のとこに来られる患者さんは、症候性の凝りの方が多いです。単純性凝りの場合は簡単に治せます。

話は一寸それますが、長兄は自身がリウマチになり、メスを握れなくなったので、後に厚生省(現厚労省)に「統括医療指導監査官」として入省しました。
その時に、「カイロプラクティック」や「整体師」は何とかならないものか、と言いましたら「厚生省も困っているがどうにも出来ない」との返事でした。私は本当は何とかして欲しいと思っているんですが・・・。
最近とみに「整体院」が多くなっています。
年収1000万、2000万、を約束しますといったメルマガを発行している会社が多くの広告を出しています。
余りにも目に余るので(と言いますのも殆どが整体院)、先日抗議の意味を含めてメール致しました。
本当に困った風潮です。
何ともならないですね。困ったものです。

また長々と書いてしまい、申し訳ありませんでした。
Commented by yakura89 at 2015-09-19 11:27
こんにちは堀越さん

長文による丁寧な、ご意見やご感想をいただき、大変ありがとうございました。鍼灸治療に対する考えを聞かせていただき、いろいろ勉強になりました。特に、鍼灸治療を4次元的に捉えられているところが、面白いと思いました。

わたしも鍼灸治療に携わり、臨床でいろんなことを体験するうちに、これはすごい治療法なんだということを強く感じる時があります。この実感をブログの記事に備忘録のように書き留めてはおりますが、正直いって、なかなか言葉に言い表わすことのむずかしさを感じています。

それは、鍼治療が、科学の領域にとどまらず、とても神秘的であり、また、哲学的だとも感じるからです。やっていてとても深くて、それを人に伝えるということは、あまりに困難だと、感じているところです。

多分、堀越さんもそうだと思うのですが、この口には言い表わせないくらい素晴らしい治療法を、人に伝え、それが伝承されていったら更に有効な治療として、将来多くの人の役に立つのではと考えることもあります。

また、わたしの地域でも、「カイロ」や「整体」が、昔も今も入れ替わったりしていますが、同業者として扱われていることに不満を感じます。しかし、実状は知っていてもどうすることもできないのが現実です。最近では、考えるだけ無駄のような気がしています。

それよりも、いかに目の前にいる患者さんにどのような治療をさせてもらうかをに全力を注ぐように、それだけを意識して治療に励んでいます。

また、いつでも、わたしのブログにお立ち寄りください。そして忌憚のないご意見を賜ることができれば幸わいです。

Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-23 00:40 x
こんばんは、堀越です。

拙文に返信を戴き、有難う御座います。
あちこちの項目を拝見させていただいて、失礼ながら「何かよく似たお考えをお持ちだな~」と感じるところ大です。

ただ、私の場合は「ツボ」、「経絡」等殆ど無視しています。
ここは、矢倉さんとは異なる所かもしれません。
ただ、お釈迦様の「八正道」は何時も心の片隅においてはおります。

治療例1

これ実話なんですが、私の娘が中学生の頃テニス部の部長をしていまして、ある時顧問の先生から電話が入り、「娘さんが練習後、肩の痛みを訴えてしゃがみこんでしまった。○○整形外科につれてゆきました」とのこと、近所ですのですぐに駆けつけ、先生のご意見などを拝聴しましたが、先生曰「全く原因が分からないのでMRIを撮って下さい」と言われ、仕方なしに撮りに行きましたが、全く正常原因が分からない、とのことでした。

しかし、私はこの時点で「クールダウンした時に痛みが起きる」ということで、すぐに察しがつきました。
これは慢性疲労による痛みだなと・・・。
結局3日ほど続けて、鍼灸治療をし完治いたしました。
ただし、軽い状態の身体に使う鍼ではなく、最強の鍼(特B鍼寸六10番)で回旋術で治療、患部の温度が下がっていましたので直灸も加えて治療いたしました。

明らかに肩の温度左右差があるのに、整形外科医は全く鑑別出来なかったようです。(だから終わってから痛み出すと言うのが理解できない)


Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-23 00:44 x
治療例2

また私なんですが、血精液症になり、「これは直ぐには治らないだろうな」と思いましたが今度は医者にかからず、自分で当該部位に鍼をし、3週間かかりましたが綺麗に治りました。


そのほか数え切れない治験例があるのですが、これぐらいにしておきます。
特に心臓疾患に関しましては数え切れないほど症例があります。
父は飛びぬけて頭がよく、一度でも来られた患者さんは、そのお体は勿論、人となりを全て記憶していました。


実は私はそんな父親から手取り足取り教えを受けた事がありません。片手挿管は中学時代に、治療室に入りまねてみてものの5分ほどで出来るようになりました。
従いまして、鍼灸学校に入ってから実技の時間に皆さんにやり方をお教えしていました。
大体見ていれば解ってしまいますので、教えてもらう必要を感じませんでした。

ただ、これがある意味災いの元になりました。
臨床に入って暫くすると患者さんの譲り合いが始まりました。
私自身は後から知ったのですが、誰が私のところで治療を受けたいかが父親に知られてしまい、大騒動になりました。
その事がきっかけで、30年間毎日父親に苛められ、41.5Kgまで痩せてしまい(身長は168cm)、死をも覚悟しました。

そして、父が88歳を迎えたときに、血液検査表を「見てくれ」と言うので時系列で判断するに、「恐らくMDSだと思う」とはっきり言いました。結局総合病院に入院2ヵ月後に主治医から説明があり、「MDS です」と診断が下されました。

この頃から私の体重が少しずつ増え始め、(不謹慎ですが)一年後父が亡くなってから、猛烈に体重が増え(約38Kg)、今度は肥満による糖尿病と高血圧に悩まされる事になりました。

高血圧と糖尿病は、「抑糖質」で炭水化物を殆ど摂らず、殆ど正常値を保っています。お陰で約12Kg減量に成功しました。

まだまだエピソードは数え切れないほどあるのですが、八倉さんにはご迷惑と思い控えさせていただきます

またまた長文になってしまいました、どうかお許し下さい。
Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-23 01:15 x
治療例3

ある日、女房が「心臓がおかしい」と言って夜遅く私の部屋に来ました。
聴診するも悪性の不整脈(期外収縮)ではない事が分かり、取り敢えず治療し、明日念のため24時間ホルター心電計でのチェックをし、結果は不整脈は激減していました。
その後2回ほどの治療で綺麗に治りました。

いけません、また長くなってしまいました。お許しを。
Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-23 07:51 x
お早う御座います。
八倉さんのお名前を「矢倉」さんと書いてしまいました。
大変失礼を致しました、申し訳御座いません。

それから、書いたつもりが大分抜けておりましたので、ご迷惑かと思いますが追加させていただきます。

治療例4

治療例2で血精液症の話を致しましたが、その少し前に陰茎に静脈瘤が出来まして、一応泌尿器科に行きまして診察を受けたのですが、医者は首を傾げるばかり、で私の方から「パイロニー(ぺロニー)ですか?」と尋ねましたところ、「私も其れを疑っているんですが」という返事でした。

しかし私は、腰部、殿部の凝りで静脈瘤が出たんだ、と判断して自分で腰部、殿部の治療を数回治療いたしましたら、完治いたしました。
医者は一応薬を出して下さったのですが、私は飲まず翌日再診した時に「大分ましになりました」と言いますと、医師曰「そんなに効く筈はないんですがね~」という返事が返ってきました(苦笑)。

また、ある時足底部の静脈瘤で歩くと痛い、という患者さんが見え、結局この方も腰部殿部の治療を数回しただけで綺麗に治りました。
西洋医学はこのような疾患には全く無力ですね。つくづくそう感じました。

何か治験の自慢話のようになってしまいました、申し訳ありません。
そのほか、副腎腫瘍の発見、心筋梗塞の発見、乳がんの発見等々沢山の経験をさせていただきました。

長々と書いてまいりましたが、生意気な言い方ですが、何かの参考になれば幸です。

失礼しました。

Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-23 12:29 x
こんにちは。
今日は休診日で、こんな時間での投稿です。

さて、ほんの一寸の治験例ですが、披瀝させて戴きました。
すると、どの様な方法で治療点を選択するのか、について書きたいと思います。

私は、所謂教科書的なツボを殆ど頭には置いておりません。
愁訴によって、「ああそれならここが治療ポイントだな」と大雑把にまず決めます。
そして、実際に触診して最終的に治療ポイントを決めます。

例えば、「息苦しい」と訴えられた患者さんの場合、考えられるのは、胸筋、肋間筋、肩甲患部の諸筋を中心にトリガーポイントをまず探しだし、そこに鍼を打つわけですが、肋間筋の治療はかなり危険を伴いますので慎重に行います。
同時に不整脈(期外収縮など)が見られる場合、前胸部の筋肉へのアプローチは欠かせません。特に特異的に現れる部位には肋間筋の治療は不可欠です。
この場合、他に特に強い凝りがなければ、一本の鍼で症状は取れます。

ただ特殊な例として、ほぼ前胸部全体が凝っておられる患者さんの場合には、そのように治療します。
私自身が、身をもって体験していますので分かるのですが、その効果は絶大です。
一辺に呼吸が楽になり、肩甲患部の治療を行えば劇的に改善されます。そして長く効果が持続されます。

そして、鍼灸治療に必ずと言っていいほどよく訴えられる症状は、「坐骨神経痛」です。これも下腿のそして殿部の温度差より勘案して腰部、殿部の当該部位に刺鍼致します。
腰部殿部の刺鍼部位は全部触診にて選択いたします。
治療が適切ならば、すぐに温度が上昇し、数回の治療で改善されます。
下肢には一切触れません。

Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-23 12:54 x
続きです。

ざっと私の治療法を書いてきましたが、中にはがんの末期の症状として現れる神経痛の方がおられます。
以前ある方が左上腕神経痛の症状(其れもきつい)を訴えられたのですが、一回治療して「これはおかしい」と思い、肺疾患(もうがんだとは勿論言ってはいません)からもこういうことが起きるので病院に行って下さい、と言いました。
結果、肺がんの末期で暫くして亡くなられました。
この時鑑別診断の重要性を再認識致しました。

またある時(父が亡くなった後)、ある患者さんが、「腕上達したんじゃないか」と言われ、また「お父さんそっくりの治療だ」とも言われました。
私は正直に言いました。「親父の鍼の方がお好みでしょうからその様に調整しているだけですよ。鍼治療は何とでも調整できるんですよ」と言いましたら、その患者さんは黙ってしまわれました。

このように千変万化出来る鍼灸治療は本当に素晴らしいですし奥が深いものだと改めて感じました。

すみません、自分の事ばかり書きまして。
まだまだ勉強して、本当のゴッドハンドをおい続けます。
Commented by yakura89 at 2015-09-23 14:50
今回もいろいろコメントありがとうございました。、堀越さん、コメント拝見させてもらいましたがすごいですね。考えられないようなすごい症例を臨床で体験されておられるので驚きです。こうした実例は、何かの形で発表できたらいいですね。ところが、わりかしそういう臨床の症例を発表する機会ってあんまりないですね。そういう点が、とても残念に思います。

でも堀越さんは、どこで治療院を開業されているのですか?わたしも何か困ったことがあれば、病院へ行く前に、堀越さんに診てもらいたい気持ちがわいてきました。もしよろしければ、堀越さんの治療院を紹介していただけませんか?

そしてもう一つ、もし堀越さんもネットで、これ以外にも臨床の数々を発表されていたら教えて下さい。わたしも、参考になるような症例がありましたら勉強させてもらいたいと思います。

Commented at 2015-09-23 20:34 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2015-09-23 21:07 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2015-09-24 01:43 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2015-09-24 01:53 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-24 16:10 x
こんにちは。

八倉さんに甘えて私の拙い経験で、私自身も一寸驚いた程効果のあった症例を書かせていただきます。

もう10年位前の話なんですが、ある方が、「主人が腕と肩がだるくてまともに眠れないんですが、一度診てもらえませんか」と言うご要望があり、後日来院されたときに「今お辛い症状と、何か他にありましたら」と言う事で、早速治療にかかったのですが、聴診すると凄く落ち着いていらっしゃり、緊張されるタイプの方ではないと判断し、まずだるくてまともに眠れないと言われる上肢を触診したのですが、はっきりと分かる温度差がありこれは恐らく単純性の凝りから来ているんだな、と考え、患側の右上肢を万歳するように挙げてもらい、特に棘下筋(これが主)、肩甲下筋、広背筋、大円筋、小円筋、等を中心に(勿論肩甲間部も触診し)、特B鍼2寸10番(山梨のはり)で回旋術を行い、腕のだるさを訴えておられましたが、これで殆ど症状が消えました。その後2回ほど来院されましたが、治療のたびによくなられ、もういいですよ、ということでその後は来院されておりません。
後に奥様が来院され、「先生の事神様のように言っていましたよ」と言われ一寸恥ずかしかったです。

八倉さんの言われる「治しやすい患者さん」だったんだと思います。
尚、肩甲下筋への治療は、私は患者さんをうつ伏せで、患側の上肢を背中に手を回すようにしてして頂き、その時肩甲骨と肋骨の間に出来た隙間を狙って行っています。これが凝っている人には劇的に効きます。


Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-24 16:35 x
成功例ばかり書いていても話になりませんので、失敗例も書かせて頂きます。

もう2年ぐらい前になるかと思いますが、とある私の鍼灸療院近くの鍼灸院に通っておられたのですが、亡くなられたので当院へお越しになりました。

第一印象ははっきり言ってよくなかったです。
鬱病で精神科に通っているとのこと、正直どうかなと思ったんですが、口を開けば自分のことはさておいて、ご主人の悪口ばかり。
これでは治る病気も治らないな、と思っていましたが、ある時本当はやってはいけないこととは重々承知しながら、薬の飲み方をお話したところ、余計に悪くなったと言われその後来院されておりません。

「ここで話を聞いてもらったらそれだけで楽になる」と仰っていたんですが、正直あの患者さんは、足る事を知る、感謝する、話し方を考える、などかなり問題のある患者さんでした。
話していてもこれじゃあなぁ~(非常に不快感を感じました)と思いました。
Commented by yakura89 at 2015-09-24 17:43
こんにちは堀越さん

堀越さんにメールしようと思って書いていたら、書き終わる前に次ぎのメールをもらってしまいました。いや何とも申し訳ありません。

お話聞かせてもらうと、堀越さんも大変な人生を送られているんですね。そういうわたしもこれまでを振り返ってみると、すごい病気をいっぱいしてきました。何時も何らかの病気や、けっこうつらい症状に悩まされることが多かったです。それは今もあんまり変わりはないかもしれませんが。ひとごとには思えませんでした。

とにかく治療家というのは、診させていただいている患者さんはどんどんよくなっていくのですが、その反対に治療している自分は、どんどん、症状が悪化して、どうしようもなくなってしまう。そういうことがとても多いような気がします。

でも一つだけわかったことは、つらい症状や病気は、後から考えてみると、きっと何かを気づかせてもらうためのメッセージであり、そこから何かを学ぶために意味があって起こっているんだなということがよくあります。堀越さんのコメントを拝見して、あらためて再確認させてもらったような気がします。

多分、それだけ、堀越さんもわたしも、大きな使命があって、鍼灸の仕事に携わっているのでしょう。つらくて大変な状況のようですけど、お身体を第一に考えて、大事になさって下さい。そして、今後、なおいっそうの覚悟を持って、病気と向かい合って下さい。陰ながら、堀越さんのご病気がよくなられることを祈っています。
Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-24 22:49 x
こんばんは。

>つらい症状や病気は、後から考えてみると、きっと何かを気づかせてもらうためのメッセージであり

これ全く私の考えと同じです。その様な経験をした後(これはそう思っているだけかもしれませんが)、そっくりな症状に出くわす事が多いんです。
そういう患者さんが来られた時には、それはこうでしょう、あれはこうでしょう、と言いますと患者さん曰「先生、見ておられたんですか?」と言うふうに仰います。
そこで私も「ええ、○○さんのお家に隠しカメラで見ていたんですよ」と言って笑い話にしてしまいますが、本当にやっておられることが手に取るように解るんです。

「どうも凝りかたからすると、そういう風な事が考えられますので」と言って誤魔化していますが・・・・・苦笑。
その様な事が臨床ではよく経験します。

話は大きく変わりますが、娘は8年前に結婚しました。
一時は拒食症で38Kg(159cm)という状態で成人式を迎えましたが、病気を受け入れてそれでも結婚させて下さい、と言う男性が現れ、無事結婚しました。正直大丈夫かなという心配があったのですが、旦那さんに甘えて何とか仲良くやっています。
その夫婦がわざわざ私の鍼治療を受けに、金沢からやってきました。
旦那さんの方は帰りの自動車運転の事も考えて少し刺激を抑え気味にしたのですが、「とても楽になりました」と言ってくれたのでホッとしました。
娘の方は相変らず一日PCを触っているか寝ておりますので普通はあのように偏った凝り方はしないはずなんですが、明らかに「肝臓に異常がある」凝りかたをしていましたので、どうかなと思ったのですが、「凄く楽になった」と言ってくれたので少しは安心しましたが、あの凝りは脂肪肝の疑いがあるので、絶対検査を受けなさい、と言ったのですが本人はあまり乗り気ではなかったのですが、たまたま腎盂腎炎になりCRPも当然上がっていますので、即入院となり10日ほどの入院でしたが、案の定、γGTP が500まで上がっておりました。
今でこそ体重103Kg まで落ちましたが、「本気でやせる事を考えないと」と言ってやりましたが、さてどうなっていますやら・・・・・。太った原因は過食症です。

Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-25 05:42 x
お早う御座います。

↑ で先にメールを戴いたお礼を申し上げるのを忘れておりました。申し訳ありません。
改めて、返信メールを戴き有難う御座いました。

それから、私の健康についてご心配を戴き有難う御座いました。
患者さんへの治療と、自身の疲労、とってもよく解ります。私も全く同じことを感じております。
八倉さんもどうかご自愛下さい。
Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-25 05:54 x
度々申し訳ありません。
↑の「堀越久仁男 at 2015-09-24 22:49」で、「~が」を多用した文章を書いています。
お恥ずかしい限りです(^▽^;)
Commented by yakura89 at 2015-09-25 14:04
こんにちは堀越さん

この間、堀越さんの奥さんの様子や話しをうかがったとき。そして、今回は娘さんの様態を伺っていますと。やっぱりなあって、感じます。わたしは、治療をするとき患者さんのエネルギーというものを意識します。気といわないで、わたしにはエネルギーといった方が、自分としてはピンときます。

でも陰陽も五行もこれまたエネルギーそのものをあらわしています。法則で考えるとわかりやすいのですが、エネルギーは、陽から陰へと流れる性質を持っています。夫婦の関係でいいますと、夫は陽、妻は陰です。親子の関係でいいますと、親が陽で、子供は陰です。もう堀越さんはここまで、いいましたら、この先は、もうすぐにピンとこられたのではないですか?

つまり、奥さんも娘さんも、どちらも堀越さんの何らかのエネルギー的な影響を受けてこられたのではないでしょうか?堀越さんが、心身ともに不調だとすると、奥さんも娘さんも、みなさん調子が悪くなってしまわれるのです。わたしも、何時もこの点で、妻に申し訳ないなって思っています。

文章表現のことであまり気にしないで下さい。わたしも似たり寄ったりですから、大切なことは何を言いたいかということですよね。堀越さんの気持ちはしっかり伝わっていますから大丈夫ですよ。
Commented by 堀越久仁男 at 2015-09-25 20:31 x
こんばんは。
また椅子に座ったまま寝てしまいました。
昨日は倒れるのを感じながらそのまま(倒れたまま)寝ていました(苦笑)

貴重なご意見有難う御座いました。

>気といわないで、わたしにはエネルギーといった方が、自分としてはピンときます。

これは私も全く一緒です。患者さんにもそう説明しています。

>エネルギーは、陽から陰へと流れる性質を持っています。夫婦の関係でいいますと、夫は陽、妻は陰です。親子の関係でいいますと、親が陽で、子供は陰です。

これは、私も確たる自信はないのですが、確かに陰陽を考えた時に、八倉さんの仰るとおりかもしれません。
が、これは私の全くの独断と偏見かもしれませんが、もっとフレキシブルなもので、女房と接しているときに、明らかにエネルギー勾配は女房が陽、私が陰、と感じられることのほうが圧倒的に多いです。娘然り、息子然りです。

つまり、上手く言えないのですが、絶対的な分類では夫が陽、女房が陰、そして子供然り、なんですがこれが正しい解釈なのかは浅学菲才な私には分かりませんが、敢えて言えば女房が陰中の陽、私が陽中の陰でエネルギー勾配はそうなっているんではないかと言うような気がします。これも子供然りです。

私は恥ずかしながら東洋医学の方は全く駄目で、全く間違った解釈をしているのかも知れませんが、その様な気がしています。
色々と大変な時期、女房子供にどれだけ助けられたか、を思いますと、そう感じてしまいます。
話は一寸横道にそれますが、息子の彼女のご両親とご一緒に会食した席で、私は思わず「私は女房を尊敬しています!」と言ったんです。そうしますと、相手方のご両親は一寸驚かれたようですが、思わずお母様が小さく拍手されました。
いや、私も突然言い出した自分に戸惑いながらも適当に笑って誤魔化していたような記憶があります。

ことほど左様に、相対的なエネルギーは千変万化するものではないのでしょうか?

何時も拙い文章でお目汚ししていますが、気持ちは伝わっているとのお言葉、大変嬉しく感謝しております。
有難う御座いました。
Commented by NSR at 2016-08-04 01:38 x
針治療は効果ありますね、これは経験上確実なこと。
患者側からの意見として、数十軒の鍼灸院にいった感想。
まず、私は、腰痛ですが、ヘルニアではありません。で、ものすごく効果のあった所は、一軒のみで痛かった腰が、施術終了直後から押しても揉んでも全く痛みが出ない。
(ちゃんと運動していれば、長い期間痛みがないです。)
その他多くの鍼灸院は全く効果なし、挙げ句の果てには何度も通えと、たった一回の施術で効果絶大の所と、何度も通えと言われるその他多くの院・・・・資格の基準がおかしいのか、わざと効果が出ないようにやって、何度も通わせるわなか・・保険診療ができないのも、こういう輩のせいか?
うちは大丈夫と思うなら、次痛くなったら行きますよ。(近ければね)
無駄金使ったんで、関係者には腹が立ってます。
Commented by yakura89 at 2016-08-05 09:41
NSRさんコメントありがとうございました。わたしたち治療者にとって、「鍼治療は効果ありますね、これは経験上確実なこと」という感想をいただけるの、たいへん嬉しいことです。

しかし、残念ながら、せっかく行ってみた鍼灸院や治療院などで、よく効くところと、そうでないところがあることも事実でよくあるお話です。

多分そういう現実があることは、わたしの記事の内容でも触れておきましたが、ひとくちに鍼灸治療といっても、治療者によっていろいろ考え方や、治療の仕方などに相当な違いがあるからだと思います。

でも患者さんからすれば、その当たり外れは、すごく痛切なものになってくることもよく理解できます。NSRさんが経験されたことは、いいことも悪いことも、とても貴重な体験ですので、同じように腰痛で困っている人のためにも、活かされたらいいなあと思います。

もしNSRさんの身の回りで、同じようなことでお困りの方がいらっしゃったら、ぜひ、その良かった鍼灸院を紹介されてあげてはいかがでしょうか?

治療者がいくら、ブログ等で、自分の治療について主張してもそれは、宣伝としか受け取られませんが、実際にそこで治療を受けられた方のお話は、きっと、有り難く受け取られるものだと思います。ぜひ、皆様に良かった治療院は、口コミで紹介してあげたら、皆様のためになるのではと思います。
Commented by 堀越久仁男 at 2016-09-17 06:30 x
お久しぶりです。

八倉さんにはお元気にご活躍のことと存じます。
私は相変わらず朝起きてみないとわからない、という状態が続いています。

NSRさん、腰がよくなられて良かったです。
数多くの鍼灸院に行かれて、一件とは一寸悲しい限りですが、これが実情でしょうね。

私も患者さんからよく、「私は鍼が合っているんですね」と言われるので(祖母の代から3代目でこれですから)、「いえいえ、鍼が合っているのではなくて、私が○○さんに合ったように治療しているからです」と言うのですが、大多数の患者さんが未だにそれです。

何時も同じことを言うのは正直疲れますが、このことこそが八倉さんの言われる「鍼治療の効く効かないは、うつところではなくて、うつ人で決まる」がまさにそのことを仰っているのだと思います。

以前に「腕が上がったんと違う?」と聞かれた時に「いえいえ、○○さんのお好きな鍼治療に調節しているだけです」、「鍼治療というのはどのような患者さんが、もっと言えば同じ人でもその状態に合わせるのが私達の仕事です」と答えたそのものだと思います。
大げさに言いますと、どんな状態で来られても合わせられるのが本当の技術ではないでしょうか。

何か生意気なことを書いてしまいましたが、40年やっていても、今日の患者さんはあれでよかったかな、と自問自答する毎日です。ただ、勉強(殆ど西洋医学)だけは毎日しています。しないと不安なんです。