クーポンや回数券は治療院のサービスではない

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世の中がこれだけ情報の時代になると、お店などでは、「クーポン」などで割引サービスを展開するところが多く見かけられるようになった。もしそのようなサービスを受けられるものなら、受けてみたいと思うのは誰もが願う人情かもしれない。同じ商品なら、少しでも安く手に入るなら、買い得感があるというものだ。

ところが、治療院のサービスを、物や商品のように、「割引」が、あってもいいものなのだろうか。もし名ばかりの治療院で、「患者さん」のことを「お客さん」と呼ぶような治療院なら、「集客」のためにそういうサービスも有りかなと思うが、少なくとも、「治療院」としての「看板」に誇りやプライドを持っているところなら、「割引」や「クーポン」は、あり得ないとわたしは思っている。痛みや症状をともなう患者さんや、病気で苦しんでいる患者さんは、この世には山のようにたくさんいる。もし治療者は、少しでも、その痛みや苦しみを解放させてあげられるなら、治療院としてこれほど名誉なことはない。治療者の頭の中にあることは、第一に、臨床経験を踏むことで、治療の技術をあげ、「なるべく多くの患者さんの、痛みや苦痛を取り除き助けて差し上げたい」これしかない。

わたしはこの道に進んでから10年ほどになる。治療院として開業してから7年目を迎えた。しかし、開業にあたり、師匠に言われた言葉は今でも忘れない。「治療院の治は、『なおす』と書きます。症状や病気を治してこそ治療院と言えます。もしはじめから治すことができないと思ったら、最初から断りなさい。もし治療して治せなければ、お金はいただかないことです」そこまで言われたことを思い出す。あまりに強烈な言葉だったので、その言葉が、わたしのこころから離れなくなってしまった。もし、これがわたしの師匠の言葉ではなければ、「バカバカしい」と思うだけで、わたしはとっくに忘れている。しかし、わたしの師匠はその言葉通りに実践している人で、それをわたしは、よく見て知っているので、まったく、その時から、治療という言葉の重みをわたしなりに受けとめ真剣に考えるようになった。

それから「回数券」を格安の料金で提供する治療院もあるようだ。ところで、それって一見、患者さんの経済的負担も考慮している良心的な治療院のサービスのように見えるが、見方を変えれば、ただ単に1回で治療するスキルと自信のないことを自認しているのと同じではないだろうか。確かに、治療の本質から言えば、「治す」のは治療者ではなくて、患者さん自身である。「予約」も患者さんが主体的に行なう行為だ。ただ、見通しの立たない治療を治療者は、何度も重ねることは、患者さんに対して「不誠実」にはあたらないのだろうか?少なくとのいくら治療院の看板を背負っているとはいえ、「治療できないものはできない。治せないものは治せない」と「リファー」するのが、また、治療者としての勤めであると思う。そういう意味で、八倉治療院には、「クーポン」や「回数券」は、治療院のサービスとしては、まずあり得ないことだ。治療の世界は、商売や物を扱うサービス業とは、一線をひくべきだとわたしは思っている。
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by yakura89 | 2013-06-11 23:22 | Trackback | Comments(0)
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