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肩こり腰痛は左右の脚の長さを変えてしまう

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 治療には身体観察は欠かせません。治療院に見える患者さんは、ほぼ100%、身体に肩こり腰痛を持っています。程度の差こそあれ、偏頭痛、更年期、生理不順、自律神経失調、うつ病、メニエール病など異なる病気や症状を持った患者さんですが、全て共通して言えることは、どなたも「肩こり腰痛」があることです。ほぼ100%と言えるのは、今まで肩こり腰痛のない患者さんを見たことがないからです。

 そこでわたしが立てた大胆な仮説ですが、「全ての病気や症状は、肩こり腰痛から始まる」というのは、そんなに間違ってはいないような気がするのです。だとしたら、「肩こり腰痛は、身体がわたしたちに伝えようとしている、メッセージである」というふうには考えられませんか?わたしは、ただの指圧鍼灸師ですが、いつもこのように考えているんです。わたしたち一人一人の身体には、神様が付いていて、わたしたちを見守ってくれているような気がするんです。そして、わたしたちが気づかないでいても、いつも「気づきのためのメッセージ」を送っているような気がします。ただ、そのメッセージは、わたしたちが使っているような言語のようなものではなくて、「痛み」や「つらさ」のようなもので、伝えているのです。そうそれが、人類の共通言語「肩こり腰痛」なのです。

 ですから、わたしはどの程度のものであろうと「肩こり腰痛」は、バカにしないで、絶対に見落としのないようにしようと思っているんです。まずは、患者さんが、来られた時に、姿勢を見るんです。両肩が前に出て、前屈みになっていたり、猫背だったりすれば、もうこれはほぼ間違いありません。そういう場合は、治療ベッドに仰向けになってもらえばすぐにわかります。両肩が浮き上がっていてベットに付かないのであれば、間違いなく肩こりがあるということです。特に患者さんの多くは右肩が高く上がっている場合が多いですが、これは右肩が特に凝っているという証拠です。

 そして、立ったままの姿勢で、右肩あるいは左肩のどちらかが上がっている場合は、重心がずれいていることが考えられます。そこで、ベッドに寝てもらって、脚の長さを比べてみる必要があります。正確に比べたいので、患者さんに全身の力を抜いてもらいます。そうして、脱力してもらってから、両方の脚を均等に引っぱるようにして伸ばします。それから、患者さんの内くるぶしに自分の親指をあて、その高さ(長さ)のずれを確認するのです。ぴったり同じなら、高さは合うはずです。もし長さが違っていれば、親指の高さにずれが生じているはずです。ほとんどは、1センチから2センチくらいのずれはよく見られます。わたしがこれまで見た最高の長さのずれは5センチ以上という患者さんもいました。

 初診の新患さんですと3人に1人くらいが、この脚の長さの違っています。これは、患者さん自身では、自覚して発見することができないことですから、これは明らかに治療者に向けてのメッセージなのです。左右の脚の長さは、このようにわたしたちは解釈します。解剖学的に言って人間の脚の長さは同じです。ですから、正確に言うと脚の長さが違うのではなくて、骨盤の傾きが生じているということです。本来なら骨盤は左右が地面と平行に同じ傾きでなければなりません。しかし、背骨の頸椎や腰椎の椎骨に捻れが生じると、結果として骨盤の傾きが変わってくるのです。もし仮に左の脚が1センチ短いとしましょう。そうすると身体の重心は、いつも左足にかかることになるのです。

 ところが、人間の身体は、そのままの状態でいられるわけがありません。1センチも違いがあったら、かなり身体は傾きを感じるはずです。そこで、なんとか重心を中心に持ってこようとするために、どうするかと言えば、首と腰の筋肉を使って、修正をはかろうとするのです。そうですこれでわかっていただけたと思うのですが、首の筋肉も腰の筋肉も、バランスを調整するためにいつも筋肉を収縮して働くわけですから、首こり肩こりを生じてもおかしくないと言えるのです。これが「肩こり腰痛」がなぜ起るかのもうひとつの原因なのです。

 ではなぜ、椎骨がねじれたのかという疑問をもたれた方もいるかと思いますが、これは更に深い疑問になりますのでまた、別の機会に、お話ししたいと思います。ただ、ひとつだけみなさんに心に留めていただきたいことは、「肩こり腰痛」をバカにしてはいけないということです。肩こり腰痛はなぜ起るかと言えば、わたしたちに気づいてほしいメッセージがあるからです。そのことは実はとても重要なことで、ほっておけば、どうして気づかないのかということで、もっともっと、痛みやつらさは進行し、病気や重篤な症状へと発展する場合が多いからです。それだけは、頭のどこかに、忘れないでほしい重要なことです。
by yakura89 | 2013-07-05 09:55 | 健康相談