鍼治療には、合う合わないの相性はありません。どなたにも免疫力を高める効果があるのです。
鍼治療には、合う合わないの相性はありません。どなたにも免疫力を高める効果があるのです。
この前、初診の患者さんとの問診で、「鍼治療は、わたしには、相性が悪いんでしょうか?」って聞かれました。前にも他の患者さんから聞かれたのを思い出しました。そういえば、患者さんは、前に一度受けた鍼治療が効かないとそのように考えるものなんでしょうね?でも、それは、鍼との相性ではないですね。
病院でお医者さんから処方されたお薬が合わないとかいうことは、あるかもしれませんが、鍼が合わないということは、普通はありません。鍼灸の歴史は長く、もう2千年以上も昔から、行なわれてきた伝統的な医療です。もしそれに合う合わないがあったなら、そんなに長い伝統の継承は、あり得ないことだとわたしは、思うからです。
でもお医者さんもいろんなお医者さんがいらっしゃるように、鍼灸師も同じです。経験が浅い鍼灸師から、ベテランの方まで、鍼治療の考え方もやり方も千差万別なのです。患者さんから詳しく聞いたわけではありませんが、「えー、そんなやり方ってどうなのかなあ?」って思うこともないわけではありません。
でも、わたしも患者として、現在にいたるまでいろんな鍼灸師さんに出会い、治療を受けてきました。やはり、人間ですから、上手い下手は当然あります。でも、鍼灸師の資格は、厚生労働省、あるいは、文部科学省の認める国家資格です。間違いなく、専門家であることはいうまでもありません。
ただ、歴然としているのは、治療者としてのパワーの違いなのです。その点につきましては、ブログの中の記事「鍼治療の効く効かないは、うつところではなくて、うつ人で決まる」というところで詳しくお話しさせてもらいましたので、興味がある方は、一度検索してみてください。今も毎日よく読まれている記事のひとつです。
鍼灸師は、ある面気功者と同じです。径絡経穴といってツボを使って、氣(エネルギー)を調整します。ですから、鍼は誰が打っても、同じ効果が得られるのではなくて、鍼灸師によって、全く得られる効果が違ってくるといっても間違えないと思います。
また、鍼灸師の鍼治療の考え方が違うと、やり方までまったく違うのです。使用する鍼の本数も、鍼の打ち方も、全然変わってしまうのです。ですから、鍼治療は、やったことが有るか無いかではなくて、誰にいつごろ治療してもらったのかが問題になるんじゃないかなって思います。
でもわたしは最近、鍼治療について、臨床の中で核心的なことについて勉強させてもらいました。それは、鍼は、どのような患者さんであれ、免疫力を上げるのに貢献していることを知ったのです。もちろん、免疫力を高める方法は、鍼治療以外にもいろんな方法があります。でも、指圧鍼灸などの治療は、間違いなく、免疫力を高めるための自然治癒力をもたらします。
そして、好転反応はあっても、薬害のような副作用は見られません。そういう点が、長い年月、日本でも多くの治療者と患者さんの深い理解に支えられて、やって来れることが出来たのだと思います。今の人は、結論を出すのが早すぎます。
鍼治療は、合う合わないで決めつけないで、どうか、今まであなたが出会ってきた医者の数の半分でいいですから、間違いなく、免疫力を高めてくれる治療者との出会いを探し求めて欲しいと思います。そういう意味でも、最初は、気軽に、あなたの話を聞いてくれる鍼灸師が、一番の近道ではないかなとわたしは思います。