患者さん第一主義
その日は、私の一番のお気に入り「ガイヤシンフォニー2」これは、新患の方には必ず聴いて頂いている曲。よりによって、その曲を、「やめてください」といわれてしまった。開院以来初めての要請に戸惑う私。何がいけなかったのだろうか?ボリューム、曲想、考えてしまった。聞きたかったが、その後、患者さんは、口を閉ざしたまま、無言だった。
患者さんの中には、静寂を好まれる人もいる。そういう時は、こちらから話しかけることはしない。そんな時に、音楽は治療者と患者さまとのいいパイプ役にもなる。とはいえ治療は、あくまで患者さまのためのもの。治療者は、患者さんに治って頂くためのお手伝い役にすぎない。「患者さん第一主義」をめざす私にすれば、音楽なしの静寂にとことんお付き合いするしかない。
それにしても寂しかった。ヒーリングミュージックは、私自身のためにも、かけさせてもらっているんだということが、その日、はじめてわかった。