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メニエール病

 こんな症状を経験したことはありませんか?「耳が遠くなったのか、電話の声がよく聞き取れない。会話中もよく聞き直すことがある。テレビの音が大きいとよく注意される。夏でもないのに、耳の奥からセミのなく声が聞こえる。セミの鳴き声はもう何年も続いており、意識しないのは寝ているときだけだ。朝めがさめたとき、天井がグルグルと回っていて不安な朝を迎えた」これは、メニエール病の患者さんが、問診の時によく口にする症状です。メニエール病の3大症状は、難聴、耳鳴り、回転生のめまい、これが特長です。もしこのうちの3つがあるようでしたら、それは、立派なメニエール病です。また、そのうち2つでも症状があるとしたら、その疑いがあります。
 
 私たち鍼灸マッサージ師の立場からすると、もう一つその3大症状の中に「肩こり」を入れてほしいところです。それほど、メニエール病の患者さんは、共通して、肩こりの症状を持っています。しかも、典型的な「首こり」です。つまり、精神的ストレスが、問題で引き起こされる病気なのです。では、それらの症状で、病院に行かれた患者さんは、どのような治療を受けるか?もしめまいが頻繁に起こったり、程度がひどいようであれば、入院して、しばらく安静です。(おもしろいことに、おちついて横になっているだけで、かなり症状はよくなっていきます)また、投薬だけの場合もありますが、その時必ず処方されるのは、精神安定剤。リンパの流れを良くする薬です。なぜかといいますと、メニエール病は、耳の奥、鼓膜のすぐ奥に内耳といって二つの感覚器官があります。一つは、三半規管といって、平衡感覚を保つところ、それからもう一つは、蝸牛といって聴覚を司る器官です。それらの異常により、めまいや、難聴、耳鳴りといった症状が引き起こされるのです。ところが、残念ながら、これらの薬は、あまり有効ではないようです。飲んでも症状の改善は見られないが、ただ、すこし落ち着くことは確かなようで、精神安定剤だけは、手放すことができなくなり。もう何年も服用しているという方が多いようです。

 八倉治療院にも、もう何人かのメニエール病の患者さんがみえられました。もう長く大きな病院の看護師をなさってきた方や、学校の先生だった方など、メニエール病を引き起こされやすい職種の方です。問診から、すでにメニエール病だということはわかりますが、肩や頚は、凝りがすごくて本当につらそうなことがよくわかります。特に部位で言うと、側頭骨の耳のすぐ後ろ側に乳様突起といって骨の出っ張りのようなところがあります。その周辺や胸鎖乳突筋がもう固くて固くてパンパンです。その辺を主に重点的に治療していきます。筋の緊張を解き、血液の流れを良くしていくことで、リンパの流れを改善します。症状は少しずつよくなっていくと、まるで固くなってしまった氷が解けていくように自然に症状が治まってくるのです。投薬に比べはるかに効果が現れます。しかも、自分自身の治す力=自然治癒力がそこに働いているのです。
 例えば、元看護師だったAさんは、いつも睡眠薬がはなせず、いつも枕元に置いていたそうです。ところが、治療に通われるようになってから、いつの間にか朝まで眠れるようになり、その薬がいらなくなったことに気づいたといいます。そして、メニエール病の、めまいもなくなり、耳鳴りも気づいた時はなくなっていました。そうして、いくうちに、喜びとともに、精神安定剤からも解放されていったのです。そして今では、薬の服用がなくなりました。もう何十年と、薬とはなれられなかった日々が、まるで嘘のようだといいます。もうこのような患者さんを、何人も見させて頂きました。薬物投与も結構ですが、メニエール病の患者さんには、休養と鍼灸マッサージのような治療を、第一選択として選ばれることをお勧めしたいと思います。