そうだ温泉にいこう(その2)

 もう6年前のことになるだろうか。一度だけ、師匠に温泉に連れて行ってもらったことがある。その年は、私が教員をやめて専門学校に合格した3月のことだ。だから、師匠からしたらお祝いをしてくれたのかもしれない。私と師匠の関係はもう20年にもなるが、私は、いつも電話でご指導していただいている。しかし、直接お目にかかったことはあまりない。だから嬉しくて、嬉しくて、忘れられない一日となった。露天風呂に浸かりながら、師匠は、このように言われた。「温泉は、どうして身体にいいのかわかりますか?」たぶん私の答えは、「温泉は、身体の代謝をよくします。それに、血行が良くなることで、血液循環もよくなると思います」まるで私達の会話は、いつも先生と生徒そのものだ。いや実際には、それ以上の差があるのだが。私は、少し緊張まじりに答えた。そうしたら、師匠は、もう私の答えの先を読んでいたように、「そうですね。でもそれでは、家でお風呂に浸かっているのも同じですね」と言われた。確かに、そういわれてみれば…。しかし、私にはそれ以外の答えは、考えられなかった。私の顔をよく見ていた師匠は、「降参ですか?」と、さも言いたそうな感じで、こう言われたのだ。「温泉は、マイナスイオンなんです。だから、気持がいいんです。だから身体にもいいんですよ」それ以来、私は、いつも温泉に入るたびに、師匠に言われたその言葉を思い出すようになってしまった。

 日本人なら温泉が好きな人はたいへん多い。多くの集団に起こる、こうした行動には、きちんとした理由があるものだ。身体にいいことは、みんな頭のどこかでわかっていても理由を説明できる人は、そんなにはいないだろう。日本全国、どこに行っても、いつも温泉は人でいっぱいだ。理屈抜きに温泉って気持いいからみんな入りにくる。でもなぜ気持いいのかって聞かれたら、こんなにわかりやすく答えられる人はいない。マイナスイオンって言うのは、最近よく耳にする。電化製品でもマイナスイオンを売りにしている製品も多い。例えば、エアコン、扇風機、ドライアー、掃除機。一瞬あれと思ってしまうものばかりだ。と言うのは、マイナスイオンと言うのは、もともと自然界のもの。例えば、よく注目されているのは、緑いっぱいの森の中の森林浴。水しぶきを上げる滝つぼの淵近く。本当に気持がいいところ。そんなところに、マイナスイオンが、発生するからだ。電化製品は、そのマイナスのイオンに似せて、似たものを作り出しているだけにすぎない。ところで師匠が言うように、マイナスイオンは、「気持がいい」のはわかるけれど、どうしてそれが身体にいいのだろうか?

 それは、「環境」の問題になるけれど、私は、昔学校にいる時に環境について勉強して、生徒達に教えていたのでよくわかった。オゾン層って知っているだろうか?地球は、46億年もこのオゾン層によって守られてきた。それは、悪疫をもたらす紫外線Bを、オゾン層がバリヤのような働きをして、私達地球に住む生物を守ってきたのだ。ところが近年、人間がフロンガスと言うものを使いだすようになってから、オゾン層は破壊されるようになってしまった。フロンは、少し前までは、ヘアースプレーやエアコンの冷媒ガスとして用いられた。安いコストで、便利なこのガスは、始めのうちは、重宝がられてきたのだが、やがて環境破壊の原因になることがわかった。しかしその時は遅く、無配慮に処理されてきたために、空気よりも軽いフロンは、やがて、地球の上空。何千メートルのところにある、もともと薄い空気の膜であるオゾン層を、破壊する結果になってしまったのである。そのために所々に、あいてしまったオゾン層の穴の間から、人体に有害な紫外線が、ほぼ地球上全域に降り注ぐようになってしまった。この紫外線Bは、特に皮膚ガンをもたらすことがわかった。つまり、ひとの身体から、免疫力を奪い、皮膚がんから体中の細胞に転移して、様々のガンの発症率を引き挙げる一因となったのである。それから、免疫力の低下から感染病等も増えるようになった。

 環境問題はそれだけではない。電磁波のことをご存知だろうか?送電線の中には、高圧線と言ってかなり高電圧の多くの電流を流している。ところが、送電線の近くに住む住人の発ガン率が高いと言うことがデーター的にわかってきた。電磁波も、同じようにひとの身体から免疫力を奪っているのである。しかし、電磁波が有害と言うことがわかると、家庭にある電化製品はどうなのか?例えば、電子レンジ、照明器具、TV、ラジオ、携帯電話、ヘアードライヤー、電気ひげ剃り機、など同じように電磁波をだしている。それらの安全性はどうなのか。疑問視され始めてきているのである。このように私達を取り巻く環境が、安全なものだと言えなくなっている。そして、発ガン率や疾病率の高さが、それを証明するかのように、上がっていることも私達の不安をなお一層かき立てているのである。

 少し長くなってしまったが、マイナスイオンと言うのは、そうした私達の身体をきれいに洗い流して、免疫力=自然治癒力を引き出してくれる働きがあるのである。まさに天からの恵み。「温泉にいきたい。ゆっくりのんびりとお湯につかって、ひごろの疲れた心や身体を癒したい」そう思って来る多くの人のために見事に、温泉は、自然の恵みを与えているのである。思えば、もしかしたら昔の日本人以上に、現代に生きる私達は、こうした自然の恵みが必要なのかもしれない。子供から大人からお年寄りまで、それを知ってか知らないかはわからないが、日本国中の日帰り温泉は、平日から週末にかけていつでも人でいっぱい。いつも多くの人でにぎわっているである。しかし、私のこの記事を読んで、改めて温泉に行きたくなった人は多いのではないだろうか。<つづく>
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by yakura89 | 2009-02-09 08:19 | 花粉症 | Trackback | Comments(0)
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