浜六郎「のんではいけない薬」

 世の中には、営利主義という言葉がある。仕事としてやるからには、利益を追求する。利益が生まれないものには投資をしない。投資がなければ、仕事は成り立たない。これは、当然な法則だろう。仕事としてやる以上、食べていけなければ、やる意味がない。ところが、世の中には、お金にならなくても、やらなければならない仕事というのはたくさんある。報道機関だったら、正しい事実、「真実」を読者に伝えること。そういうことが必要である。新聞はどうか?毎日、事実を伝えているではないか?そう思う方がいれば、それは、少しおめでたいような気がする。新聞も何新聞かにより報道内容に大変な違いがあることは、同じ記事を比べてみれはすぐわかることである。スポンサーが誰であるか?広告はどこから取ってくるのか?でも、報道の内容は少しづつ変わってくる。増してや雑誌や週刊誌などは、新聞以上に内容に対して制作者の意図が働く。雑誌にも売れなくてはならないという制約がある。また書くことで利益が生まれなければ、出版は、終わってしまう。そういう意味で、事実を事実として報道することの難しさは、大変なことだと推測される。この「週刊金曜日」という雑誌は、私の知る限りでは、最も社会の事実を遠慮なく暴いていく日本で唯一の雑誌だと思っている。<編集委員>は、本多勝一、故筑紫哲也、椎名誠、佐高信、落合恵子、石坂啓。このメンバーが、表岩となって、報道の自由、読者に事実を伝える良心を貫いている。聞けば『週刊金曜日』は企業の広告なしに独立して出版されているという。こうした企業から独立した週刊誌だからできたことであろう。

 また、著者の浜六郎氏は。内科、免疫学専門の医師である。1979年に病院を退職して2000年にNPO(特定非営利活動)法人医薬ビジランスセンターを設立した。薬がもたらす薬害から目を背けることができなくて、医者としての正義を貫かれた人である。医師がこのような本を出版するということは、どれほど外部からの圧力があったことだろう。ましてや、このように薬の実名を挙げて、批評するということは、企業の営利に反すること。ましてやそれを認可した、国の機関、厚生労働省をも敵にまわすことになりかねない。しかし、著者は、それを覚悟の上ではじめられたことだろう。これは、私たちが考える以上に大変なことなのである。そこには勇気と正義感に裏付けられた医者としての使命感があることが容易に想像できる。本当に、お医者さんの中にもこんな立派な方が、まだいらっしゃたことが大変嬉しいことだといえる。改めて、この本の著者と出版社に敬意を表したいと思う。

 世の中には、「正しい」と思っていて「正しくない」ことがいくらでもある。また、「正しくない」と思われていることでも「正しい」ことはいくらでもあるだろう。そういう意味で、信念が盲信にならないことを祈る。こと身体と健康に関することで、間違った知識は、本当は、許されることではない。と、私は思う。この本に少しでも興味のある方、薬の知識が必要な方は、是非この本を購入して良く読まれるといいと思う。今回は、季節柄、「インフルエンザ」と「風邪」の薬害について、少しだけだが、浜六郎氏の「のんではいけない薬」から引用してみることにする。
 

のんではいけない薬―必要な薬と不要な薬

浜 六郎 / 金曜日

薬といえる本物の「良い薬」と、薬とはいえない「毒」になりやすい「物質」、あるいは「悪い薬」を、どのようにしてそういえるのかも含めて医師が解説。『週刊金曜日』連載を最新情報に基づき一部書き直して単行本化。



♣第1章 必要な薬と不要な薬

②薬で病気にさせられる

☆インフルエンザ予防にワクチンはいらない

 毎年、マスコミや医師会、厚生労働省あげて「インフルエンザこわくない」キャンペーンが繰り広げられ、ワクチンの接種が勧められています。「インフルエンザで老人が死亡」「インフルエンザ脳症で小児が死亡」というように、インフルエンザのこわさが強調され、「インフルエンザにかからないためにワクチンを」「かかればすぐに病院に行って検査をして特効薬を」と、薬を使わせるキャンペーはすごいものです。しかし、ワクチンが予防に効くというデーターはありません。
 インフルエンザとは、「流行性感冒」という名前が示すように、風邪の一種です。「風邪くらいでは仕事を休めないから、明日までに治したい」と、解熱剤をつかって無理やりに熱を下げるのが一番良くないのです。
 インフルエンザには、大きく分けてA、B、C型の三種類のウイルスがあります。一般的なかぜよりも症状がやや強いのがA型で、症状も感染力も強いですが早く治ります。C型はほとんど流行することがなく、症状は軽いものの、長引くことが多い。B型は流行しない年と、する年があり、症状の強さや経過はAとCの中間くらいになります。
 つまり、B型やCがたはふつうの「かぜ」なみで、A型が「かぜ」としては少々強いということになります。強いといっても、解熱剤で熱を下げて仕事を続けるというような無理をしなければ、ふつう重症になることはありません。重症化して死亡している場合、その多くは抗炎症作用の強い解熱剤のせいなのです。

☆解熱剤で下げるとかぜは治りにくい

 これまで述べてきたように、とにかく肝心なことは、ふだん、よほど健康状態や栄養状態が悪くないかぎり、「かぜ、インフルエンザにかかってもこわくない」という自信を持つことです。
 かぜウイルスは冷たいところが好きですから、熱はウイルスや細菌をやっつけるための重要な防御反応になります。「さむけ」や「ふるえ」は、低すぎる体温を「上げよ」と「脳」が指令した結果、筋肉が収縮するからです。こうして苦労して熱を出すと、かかった本人もしんどいですが、かぜやインフルエンザウイルスはもっとしんどい。せっかく上がった熱を解熱剤で無理に下げると、一時は楽ですが結果的には逆効果になります。

☆抗炎症解熱剤はかぜより危険……………

※ということだとすると、「なるべく風邪薬はやめておこうか」ということにならないだろうか?!
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by yakura89 | 2009-03-22 16:17 | 治療方針 | Trackback | Comments(0)
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