カテゴリ:肩こり( 9 )

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029.gif「肩こりとは、肩関節周辺の筋肉のこり全部をいうんですよ」


わたしが、専門学校時代にいわれた言葉なのです。ある先生が、「肩こりが治療できれば、この業界では、治療家としては一人前になったといえる」って、言われたんです。その頃のわたしは、「業界」とか、「治療家」とか、そういうことが全然よくわかっていませんでした。だから、「肩こり」くらい、治療できて当たり前の世界だって思っていました。

ところが、「肩こり」って、いうことひとつとっても難しいものです。「肩こり」っていっているけど、固さも程度も、人によって全然違うじゃあありませんか?「母さんお肩をたたきましょ、トントントントントントンと」これは、童謡ですが、子供でもやってる。「肩たたき」から。いい年齢の大人が、「わたしは、一度も肩こりから解放されたことがありません」って、言われて来る患者さんもよくいらっしゃるんですが、そういう方の、肩こりの治療は、本当に難しいです。

それに、「肩こり」って、ひとことで言いますが、どこからどこまでを「肩こり」って言うんですか?「首こり」と「肩こり」って違うんですか?「わたしは、よく背中も痛くなるんですけど、それって、肩こりとは違うんですか?」そういわれる患者さんもあるんですよ。

そういえば、わたしの治療院では、頭の指圧マッサージをやった後、流れで胸筋の指圧マッサージもやったりすることがあるんですが、「胸の筋肉のマッサージをやってもらったのは、はじめてです」って、おっしゃる方が、多いんです。でも胸筋も肩関節周辺の筋肉ですから、やっぱり、これも肩こりなんですね。

そうすると、「肩こり」という症状は、意外と範囲が広いものなんですね。それにそれらの筋肉が、すべてほぐれてしまうということを考えれば、「肩こり」の治療というのは、相当、大変な治療ということがいえるのかもしれません。

それから、みなさんはご存じないかもしれませんが、「肩こり」は、症状として考えますが、「胸郭出口症候群」とか「頸肩腕症候群」とか、いう名称がつくと、もうりっぱな病気として扱われます。ですから、やっぱり、「肩こりが治療できれば、この業界では、治療家としては一人前になったといえる」というのはうなずけるような気がします。
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029.gif姿勢が悪いから肩がこるのではなくて、肩がこっているから姿勢が悪いのです


よく患者さんから聞かれることがあります。「わたしは、姿勢が悪いから、肩がこるんですか?」というんですが、実は、臨床を積んでくるとわかるんですが、原因と結果の順序が違うんです。事実は、治療をやってくるとわかるんですが、「肩がこるから姿勢が悪くなるのです。」これは意外と世間の皆さんは、勘違いされていることが、非常に多いんですね。

八倉治療院では、初診の患者さんには、患者さんの症状を確認させてもらうために必ず、問診・見診・触診を行なっています。そのとき、見診の段階で、触れもしない段階から、「肩が凝っていますね。特に右の方が」とか言うものですから、患者さんは、半ば驚いたように「わかりますか?」と聞き返してきます。

これはね、種明かしをすれば、簡単なことなんです。肩こり症状がある患者さんは、みなさんベットに仰向けになられた時に、肩がベットから浮いているのです。特に、肩こりが強い方が、上がり方が大きいですから、「特に右肩の方が、こっていますね」という言い方ができるんです。

もうひとつ重要なことは、肩こりというと、私たちは、肩の上の筋肉や肩甲骨の周辺の筋肉を想像しがちですが、専門的に言いますと、肩こりというのは、肩関節の周辺に繋がる筋肉全部の凝りのことを言います。ですから、よく悪い姿勢の代表として「猫背」っていいいますが、胸筋の張りなども、この姿勢が悪い大きな原因になったりします。

もちろん、肩関節に接続する筋肉全部といえば、すごい数の筋肉が接続しているわけですから、本当は肩こりの治療は、実際は、すごく大変な治療になるわけですが、それらが緩むと本当に、見違えるほど姿勢が変わってくるのです。

よく患者さんから、治療の後に感想を聞くと、「すごく姿勢がよくなった気がします」というようなことを言われる患者さんがいます。確かに、そうなんですね。もちろん人間の身体は、ひと繋がりでできていますから、首こりがなくなれば、腰痛もらくになり、曲がっていた腰も、すっとのばせるようになり、身長まで伸びてしまうこともあります。

また、治療前は、頸椎や腰椎の捻れや歪みから、骨盤が左右の傾きが生じ、足の長さが違ってしまっており、重心が、どちらか一方にかかっているという人が多いですから、首こり肩こり腰痛を治療してあげることで、それらが、改善されれば、姿勢がよくなるのは、当たり前なのです。

これで、「姿勢が悪いから肩がこるのではなくて、肩がこっているから姿勢が悪いのです」という理屈がわかってもられましたか?ですから、スポーツをしている人や、美容に関心のある人には、こういう首こり肩ころり腰痛の治療は欠かせないものなのです。
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029.gif肩こりからおこるいろんな症状と病気
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みなさんは、「すべての病気は、肩こり腰痛からはじまる」ということを知っていましたか?だから、「肩こり腰痛」くらいとあまり簡単に考えてはいけないのです。特に肩こりというより首こりが問題です。前に「首こりのない肩こりはない」ということをいいましたが、西洋医学的には、肩こりの病気の代表的なものは、「胸郭出口症候群」とか、「斜角筋症候群」とかいわれるものです。最近では「頸性神経筋症候群」というあらたな呼び名が加わっているようです。いずれも、肩こりからはじまるものです。

難しい話は、専門書を読めばいいことで、わたしたち指圧鍼灸師は、患者さんの肩こりだけを診るのではなくて、ひどい場合は、頭痛はないか?手足にしびれはないか?ということをしっかりと確認します。というのもわたしのところに来る患者さんは、単なる肩こりで来る患者さんはほとんどいません。大概もっといろんな症状や病気を背負ってこられることが多いので、一応すべてそれらの症状を前もって確認した上で治療を考えていきます。


【頭部におこる症状と病気】

・頭痛・偏頭痛・虫歯でない歯痛・めまい・耳鳴り・難聴・目のかすみ・あごの痛み・噛み合わせのわるさ・眼精疲労

・三叉神経痛・メニエール病(3大徴候は、めまい・耳鳴り・難聴)・近視・乱視

【首におこる症状と病気】

・首こり・寝違え・眼精疲労・ヒステリー球(梅核気)・頸椎ねんざ(むち打ち症)

・頸椎ヘルニア・頸性神経筋症候群・頸肩腕症候群・斜角筋症候群

【肩におこる症状と病気】

・肩こり・肩の痛み・胸筋の張り・背中の張り・四十肩・五十肩・肋間神経痛・野球肩

・頸性神経筋症候群・頸肩腕症候群・斜角筋症候群

【肘や腕や手部や指におこる症状や病気】

・腕の痛み・肘の痛み・肘のしびれ・腕の痛み・腕のしびれ・手や指の痛み・手や指のしびれ

・リュウマチ・頭骨神経痛・正中神経痛・尺骨神経痛・テニス肘


※以上の部位における症状と病気は、今までに診させてもらった患者さんの症状と病気です。どこまでが、症状でどこまでが病気といえるのか、少し難しい面がありますが、いずれも、扱わせてもらった「肩こり」が原因の症状や病気であることは間違えありません。ただ、これらの多くは、運動器系のものであり、自律神経系による病気は、「肩こり」との関連の証明が難しいのではずしてあります。しかし、内蔵器官などの疾患も、「肩こり腰痛」からはじまっていることは確かです。
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029.gifTarzan特集「肩こり腰痛」に思う

☆今現在、発売されているTarzanNo・596
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☆2009年に、発売されたTarzanNo・527
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Tarzan (ターザン) 2012年 2/9号 [雑誌]

マガジンハウス



 最近、本屋さんで見かけたTarzan特集「肩こり腰痛」です。そして下の写真が、以前発売された同じくTarzann特集「肩こり腰痛」です。仕事柄でしょうか。本屋さんにいきますとこのような見出しがすぐに目に飛び込んできます。そして気がついた時には、迷わずレジに運んでいます。Tarzanと言えば若者のファッションをリードする雑誌のひとつです。その雑誌が「肩こり腰痛」をどのように捉えているのか気になるところです。ところが、最近のわたしは、すこし雑誌の内容に不満を感じるようになってきました。例えば、雑誌で扱われている「肩こりの原因とは?」ですが、要約すると次のようなものです。

072.gif肩こりのメカニズム

1、筋肉が硬く縮こまる。
     ↓
2、血流が低下する。
     ↓ 
3、菌いくに老廃物が溜まり酸欠状態になる。
     ↓
4、発痛物質が発生する。
     ↓
5、コリや痛みを感じる。


1、筋肉が縮こまる。

  ☆理由1、長時間同じ姿勢をとり続ける。
  ☆理由2、姿勢が悪い。

2、血流が低下する。

  ☆理由、交感神経が優位になる。


 確かに間違いはありません。わたしも初診の患者さんがくれば、間違いなくこのように説明していたことも事実です。こういう説明は、実に西洋医学ぽい感じがします。でもこういう説明が、患者さんには、一番わかりやすいのです。でも問題は、これでは、すぐに運動を勧めたくなるではないですか。「ある程度、運動することで、長時間同じ姿勢をとり続けなければならない緊張感も改善できるし、姿勢も良くなる。また運動することで血液循環も改善されてくるはずです。だからみなさん、運動しましょう」ってな具合にね。現にこのTarzanも、案の定、この後は、通勤や職場や自宅でできる簡単な運動のススメでした。

 でもこれって、あまりにも短絡すぎです。第一、病院の医師が、患者さんの体をどのくらい触って、状態をつかんでいるかが問題です。もし、「肩こり腰痛」程度とはいっても、患者さんによっては運動をしていい方と、やってはいけない患者さんがいるのです。そのへんの見極めが実に大切なのです。普通は、筋トレやストレッチは、筋肉が正常で健康な体においては、健康増進に大変素晴らしい効果を発揮します。ところが、これはあくまでも健康な人のお話です。普通、病院にお世話になる人は、筋肉は大部分が拘縮していますし、神経は急性か慢性の疼痛を起こしています。このような体に、運動は、帰って状態を悪くすることが多いからです。わたしがいつも不満に感じているのは、そういう心配があるからです。

 さらに、いわせてもらうなら、みなさんはひどい肩こり腰痛に悩まされた時にどうしますか。ほとんどの場合、第一選択は、病院の整形外科ではないでしょうか?保険もきくし、科学の最先端の医療が受けられる。そんなふうに考え、病院に行かれる方がほとんどだと思います。ところが、病院では、レントゲンを撮ったり、MRIでの検査と原因究明にはとてもたのもしい限りです。ところが、その後は意外とお粗末です。患者さんに聞くと、ほとんどの場合が、痛み止めの薬がでておしまいです。気が利いたところでは、整骨院でやるような牽引などのリハビリがあったりしますが、大腿の場合、治療らしい治療はありません。強いてあげるなら、痛みを止めるために、脊柱にブロック注射をうつだけです。それでも効かない場合は、すぐに「手術をしましょう」というふうになるわけです。ところが投薬も、痛み止めのブロック注射も、わたしたちにいわせれば、治療ではありません。完全に、病院の場合、治療というプロセスが抜けているのです。検査も、非常処置の手術も時と場合には、大切です。でも、最も大切なのは治療です。

 先にもどりますが、これだけ時代は進んでいるのです。ですから時代の最先端を行く雑誌なのですから、もう少し最先端の治療院での治療にスポットを当ててもらえないでしょうか。そうすれば、「増やさなくてもいい患者さんがもっともっと増える」という哀しい現実を食い止めることができるのではないでしょうか。Tarzanならそのくらいのことをやってほしいものです。どうか次回のTarzan特集「肩こり腰痛」は、「徹底治療院の治療ガイダンスにスポットを当てる!」こんな見出しでいかがでしょうか。



 
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 もうだいぶ前のことになるけど、家に下水道の工事にきた水道屋さんがいた。昔から家に出入りしていた水道屋さんなのでお互いに親しい間柄である。「肩こりがひどくて、右肩がどうも調子が悪い。困っているのは右肩だけなんだけど……」と右肩のこりを強調されるように腕を上げてみせてくれた。そこで、休憩時間に、肩こり症状を診てあげることにした。確かに、その方は、右肩肩甲骨の背部に拘縮の箇所がみられた。すこし、場所を確認するように座位のまま硬結のある部分に5分ほど指圧を試みた。意外とあっという間に硬結のあった部位は弛緩した。面白かったのは、その翌日のことである。「あんなに痛かった右肩のこりが、うそのようになくなったかと思えば、今度は、なんでもなかった左肩が痛くなってしまった。先生、私の左肩に、なんか変なことをしませんでしたか?」私は、治療のつもりはなかったので、左肩は、軽く触れたくらいで全く手をつけてはいなかった。しかし、私には、水道屋さんの訴えがすぐに理解できた。

 人間の身体は、面白い共通点があって、痛みに対して優先順位をつけるのである。水道屋さんの例で言えば、本当は、最初からこっていたのは、両肩である。しかし、どちらかといえば、右肩の方が、より強い症状がみられた。この場合、痛みは、右肩しか感じない。この水道屋さんに限らず人はほとんどこの傾向を持っている。だから、仮に5分間のクイック治療ではあっても、右肩のこりが解消されると、今度は優先順位が変わり、今まで潜伏していた左肩のコリが痛みを訴え始めたのである。このように人間の身体は、痛みに優先順位をつけて、私たちにもっともつらい箇所を訴えているようである。だから、治療者は、いくら、右肩や右腕が痛いという訴えがあった患者さんに対して、片側だけの治療をしてはいけないのである。もし右側が痛いといえば、左も同じように潜伏した痛みがあるのだな、というふうに解釈すべきなのである。

 そういえば、昨日も患者さんからこんな電話相談があった。この方は、1週間ほど前に首こり肩こりがひどくて見えた患者さんである。「先生、先日は、どうもありがとうございました。おかげさまで首や肩のコリは治り、大変楽になりました。でもやっぱり、先生がおっしゃられていたように、今度は腰が痛くなってしまいました。今度は腰を診ていただけないでしょうか?」という電話口の患者さんを前に「でもやっぱり」という言葉に、思わず反応しかけてしまった。「私は、もしかしたら『予言者』になれるかな?」そんなつかの間の優越感を味わった。「そうですか、わかりました。今度は、腰の治療をやりましょう」ということで電話を切った。これもまた、臨床上よくあることである。肩こりで見えた患者さんは、治療していくと、腰痛も併発されていることが多い。症状が、重い患者さんは、ほぼ間違いなく肩こりがあれば、腰痛もあるとみていい。これまでも、そのような場合がほとんどといっていいくらい、今までの例からいくと多かった。この患者さんのように肩こりがひどい場合は、肩を中心に、ほとんど上半身に治療を集中して行うが、腰部を治療した時、異様に筋の拘縮がみられた。だから、「もしかしたら、肩こりが解消すると、今度は、腰に痛みを感じるようになるかもしれませんね」という予言をしてしまったのである。

 これも「身体は、痛みに優先順位をつける」という原則にぴったりあてはまる。つまり、肩こりがひどければ、腰痛は、潜伏する。その逆の場合もある。腰痛がひどければ、肩こりのつらさや痛みは、潜伏するのである。面白いのは、「私が悪いのは、腰痛だけです。私は肩こりなんて一度も感じたことがない」といって、八倉治療院にみえた患者さんである。では、ということで腰痛を治療する。完治すると、「先生、今度は、肩がこって仕方がないんですけど、今度は肩の方も治療してもらえませんか?」とくるのである。「あれ、Bさん。Bさんは、肩はこったことがないっておっしゃっていませんでしたか?」と言いたくなるのは、私の「イジイジするのが大好き」な性格からくるものなのだろうか。


 
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☆私が、使用しているパソコンは、代々iMac.
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 タグを並べていくと面白い。パソコン・肩こり・指圧=原因・結果・対策となる。これが今日の話題の図式に当てはまる。「肩こり」・「腰痛」と聞くと何か、お年寄りの専売特許のような感じを受けるが、実際は、若者から働き盛りの大人まで、このような症状を抱えて困っている人は実に多い。その原因を突き詰めていくと、キーワードは、「パソコン」ということになる。パソコンでよく知られるのが、「VDT症候群」といわれるもの。こんな横文字を使うと私でもわからなくなってくるが、ディスプレーを長時間見ることによる眼精疲労である。眼精疲労は、肩こり・頭痛などの症状を伴うことは、パソコンをお使いの皆さんならよくわかっていること。最近では、事務職以外の職種でもパソコンを使用する機会が多い。従って、眼精疲労による肩こりは、現代人の特有な症状のひとつになっている。

 そこで、なぜパソコンが、「肩こり」・「腰痛」の原因になっていくのか、もう少しよく考えていきたい。まず原因のひとつとしてあげられるのは、「ストレスが多い」ということだ。特に、私のような中高年にとってパソコンは、便利なものではあるが、また、同時に、これほど不便なものはない。今の若い人達のように、パソコンは、子供のときからあったわけではない。だから、パソコン操作は、不得手である。だから、その習得にあたって、結構努力が必要となる。上手くいくときにはいいが、上手くいかないときの方が多く。まさに、パソコンは、ストレスを生み出すことの方が多いといえよう。しかし、この「ストレス」こそ肩こり腰痛の三大原因のひとつ。というよりナンバーワンにあげられるのである。

 次に、パソコンは、人類の長い歴史の中にあって、これほど長い時間、私たちに「静止」の姿勢の状態を強制したものはないと言われている。中には、パソコンがなくては、仕事にならないといわれる人には、もう一日中、パソコンお画面から釘付けにされてしまっている。ところが、この静止の姿勢の状態は、何も筋肉を使っていないかといえば、そんなことはない。あなたの近くにパソコンがあれば、パソコンをしているときの状態を再現して欲しい。あるいは、今のままの姿勢を、客観的に見て欲しい。それは正しい姿勢といえるだろうか。腰痛のある人には、前傾姿勢というのは、屈んで荷物を持つのと同じくらいに、実によくない姿勢である。またそれと同様に、イスに腰掛けていても、長時間の前傾姿勢は、腰の筋肉の内圧を高めることになるので本当によくない。特にラップトップのパソコンを使用されている方は、ご自分の姿勢を周りの人に見てもらうといい。大抵の人は、前傾60゜からそれ以上になっている。これまた、実によくない姿勢のパターンになる。だから、あなたの身体の背骨を支えている脊柱起立筋という伸筋は、中途半端な姿勢で、実に長時間、筋緊張を維持していることになるのである。ちなみに、肩こり腰痛の三大原因のもうひとつは、「姿勢の悪さ」である。

 こうして書いていくと、どうして現代人の私たちが、肩こり腰痛に悩まされるのか、原因がよくわかることだろう。おそらく、人類は、特にそれが文明社会であればあるほど、肩こり腰痛に悩まされていることになる。だからこそ、今こそ「指圧」のような、治療が現代人にはもとめられている。眼精疲労は、後頚部に凝りが見られる。また、「ぼんのくぼ」といわれるところが、うっ血しているために、そこにある「天池」というツボを指で何回か、押してあげると本当にすっきりしてくる。また、肩こりといっても、肩の方だけ治療していてもだめである。やはり、背中にそって、脊柱起立筋を上から下へと腰の方まで丁寧に指圧していくと、本当に、背中の筋肉まで緩んで、元気が蘇ってくるのである。「指圧」は、パソコン時代による現代人の肩こり腰痛に、最大の助け舟となることを確信している。

 ところが、これほどニーズが高まっている時代にありながら、残念ながらちゃんとした治療を受けている人は、実に少ない。「癒しブーム」にのって、ちまたでは、ビジネスとしての「整体」や「レフレックスノロジー」あるいは、「クイック」などの「癒し」をビジネスにした産業が多く見られる。それらの産業も「肩こり腰痛社会」にあって貢献していることは確かではあるが、残念ながら、「治療」とは、別枠で切り離して考えて欲しい。このような時代だからこそ、日本が世界に誇る独自の治療法である「指圧」は、「癒し」や「慰安」を目的のものとは、どこか一線を隔てたものである。パソコン時代の現代こそ「治療」の本道をゆく「指圧」を皆さんの治療対策としていかして頂けることをこころから望んでいる。


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TARZANターザン527号(2009年2月11日)特集「肩こり腰痛」より抜粋

①姿勢

☆立ち姿、座る姿勢の悪さが凝りと痛みに。

 頸椎は前に向かってカーブを描き、胸椎は後ろ側に引っぱり、腰椎が再び前側にカーブを描く。このS字のアライメントがあってこそ、ヒトはまっすぐ立つことができる。
 脊柱本来のアライメントが崩れる最大の原因は、不良姿勢。正しい姿勢は横から見たとき、耳、肩、腰、膝、足首を一直線に結ぶことができる。これが立った姿勢で猫背になり首が前に出ると、肩から背中の部分が引っ張られて凝りにつながる。また、座った状態で前傾姿勢になると腰椎にかかる負担は倍増する。
 さらに。猫背姿勢で首のカーブが崩れると、それを補正しようとする腰に負担がかかる。また、腰が反りすぎてアライメントが乱れると、その乱れを調整しようとする首に、やはり無理がかかる。不良姿勢による肩こりが腰痛の呼び水となり、腰痛が肩こりの引き金になることは、決して少なくないのだ。

②筋力

☆もともと少ない筋力が常時酷使され硬くなる。

 平成16年度の国民生活基礎調査によると、「気になっている症状」の男性の1位は腰痛、女性の1位は肩こりなんだとか。ちなみに、男性の2位は肩こりで女性の2位は腰痛。男女ともに肩こり・腰痛のセットに悩まされているわけだ。
 その原因のひとつは筋肉量にある。重い頭を支えたり、少々出っ張り始めたお腹を抱えて歩くためには、肩や腰にそれなりの筋肉が必要だ。欧米人に比べ筋肉のボリュームが少ない日本人は、もともと不利な状況にあるといってもいい。
 そこに不良姿勢という要素が加わると、筋肉が年中一定方向に引っ張られ、筋肉を包む筋膜が炎症を起こしたり、筋肉自体が硬くなって血行が滞り、慢性的な肩こり・腰痛に陥ってしまうのだ。ちなみに肩こりを訴えている人の割合は、日本人の7割にも至るという。日々の運動やエクササイズはやっぱり重要なのである。

③ストレス

☆密かにたまったストレスが症状の悪化の原因に。

 肩こり・腰痛は、骨や筋肉の物理的な異変ばかりが原因ではない。最近ではストレスというキーワードが注目されている。一説には、ストレスによって自律神経のバランスが乱れ、筋肉が不要に緊張したり血行が滞って症状が悪化するという話もある。
 実際に整形外科に訪れ、特に強く症状を訴える患者には、メンタル面が弱っている場合が多いと、聖路加国際病院の整形外科医、田崎篤さんは言う。
 「腰痛はとくに、メンタル的に弱い人が多いということは事実です。同じ座りっぱなしでも、仕事中はひどく感じるけれど、週末映画を観ているときは何でもないという人もいますよね。ならばこれはストレス生の可能性があるだろうと。また、肩こりを訴える人に多いのは、自分は重労働を強いられていると感じていること。小さな痛みでも精神的な疲れがあると強く感じてしまうという傾向がありますね」 


※どうだろうか、なるほどなあ、と思われた方が多いのではないだろうか?

 ①姿勢は、ご家族や友人に、一度ご自分の立ち姿を、横から見てもらったらいいかもしれない。自分でも気づかなかった姿勢を、見直してみる必要はないだろうか?
 ②筋肉は、患者さんでも、ご高齢者の先輩が、よく痛みを訴えるが、運動がほとんどできなくなるとやはり、肩こり・腰痛の問題が出てくるのがよくわかる。まだ若いといっても男も女も「お父さん」「お母さん」になると子供には、スポーツをやらせるが、自分の運動は、皆無といったことがよくある。その点をよく考えてみる必要があるだろう。
 ③ストレスは、やっぱりなあ、結構この問題が大きい。前にも書いたが職業的にも身体を使ってする職業より、意外と事務職や接待業などの仕事の方が、患者さんに多いこと等からも、ストレスが原因だというのは、よくわかっていた。こうして、この雑誌で取り上げたことで、確信を持った。
 雑誌は「三大理由」としてあるので、この問題が、外れてしまったが、「四大理由」としたら、次に入るのは、間違いなく「体重」であろう。最近ダイエットに成功したら腰痛が少しよくなったことからも体重と腰痛の関係は、容易に理解できるようになった。
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  治療院にくる患者さんの多くは、肩こり症状を抱えている。コリは、筋肉が、疲労物質である乳酸などにより、筋肉繊維が、収縮してもとに戻りにくい状態をいう。運動量からいえば、スポーツ選手や肉体労働をしている人に、現れていいはずである。ところが、実際には、コンピューターなどを扱う事務系の仕事をしている人や、接客業など、営業関係の仕事をしている人に、多く見られる。このことから、体を使う仕事より、気を使う仕事の方が、肩が凝るようである。特に、時間に追われたり、数字や時間を争うような仕事は、大変なストレスとなり、筋の緊張を促進する。緊張は、筋肉には収縮に働くことになり、立派な肩こりの原因になる。
 肩こりの治療にみえる患者さんは、肩こりといっても症状は様々である。しかし、共通しているのは、頚の凝り。中でも、頚を左右に曲げたりする運動に使われる胸鎖乳突筋は、肩こりを訴える人のほとんどに、症状が見られる。ストレスを訴える人の多くが、この筋肉だ。ストレスといえば、もうひとつの部位にコリが見られる。それは、肩甲間部といって、背中の肩甲骨と肩甲骨の間の部位をいう。筋肉でいえば、僧帽筋。この二つの部位が凝っていたら、間違いなくストレスによるコリといっていい。
 そういう私も教師をしていた頃は、大変な肩こりで、学年末の通信簿や要録を書く頃になると、頚が回らなくなった。本当にその時は、困ってしまったが、今ならなぜそのような状態になったのか、理解ができるし、どうすればいいのかもわかる。それにしても、いまの私がわからないのは、どうして、胸鎖乳突筋と僧帽筋なのかという疑問である。どうして、この二つの筋肉は、ストレスに弱いのだろう。強いていえば、この二つの筋肉を支配しているのは、副神経といって、12個ある脳神経のひとつである。そんなことを考えながら、今日も、肩こりの治療をさせて頂いている。
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 肩こり、腰痛、膝痛は、治療院に来られる患者さんの3代症状である。その中でも、一番多いのは、なんと言っても肩こり。この症状は、年齢を問わず、本当によく見られる症状である。若い人や、子供は、凝らないかというと、とんでもない。小学生くらいの子供でも、大人と同じくらい、肩こりの症状を持つ子は、おそらく山ほどいるのではないだろうか。若い人も含めて治療や相談を受ける回数は、ダントツである。ところが、この肩こりというのは、意外と厄介な症状で、学校に行っている時も、「肩こりが、治せるようになると、治療者として一人前だ」と言われたくらいである。それだけ、症状に程度の差が激しいことと、肩甲骨を中心に広範囲の筋肉が、痛んでいることが多いからである。これを知らないと、患者さんの方は、「気持ちよかったけれど、2、3日したら、また戻ってしまった」と言われてしまうのがおちである。これでは、素人が、肩もみするのと同じで、これでは、プロとしての仕事とはいえない。せめて、肩こりだけの問題の患者さんには、確実、「楽になった」と言わせたい。幸いなことに、私はこの肩こりの治療が、上手くいっている。なぜかというと、頭の中に、シミュレーションみたいなものがあるからである。「肩こりというのは、どういうことが原因で起こり、どういう状態であり、どうすればよくなるのか」そういうことが、しっかり頭の中で組み立てられているからだと思う。
 私は、患者さんに、コリとはどういう状態なのか、わかってもらうために、いつも簡単に筋肉ついて説明することにしている。説明は簡単、こんな感じである。「筋肉ってたくさんの繊維の束なんです。アクチンとミオシンという2種類の繊維があります。それが、ちょうど、折り畳み傘の柄のように、ミオシンがアクチンという管の中に、出たり入ったりして、伸び縮じみを繰り返しているんですね。ところが、この運動を繰り返していると、疲れてしまいます。そうすると、疲労物質である乳酸が、出てくるんです。ベッタリとね。そして、筋肉繊維が、動かないように、二つの筋肉繊維がくっついてしまい離れない。それが、コリの状態なんです。二つの繊維が、くっついて、どうにも離れない状態だから、コリは固いんです。それを、揉んだり、押さえたり、引っ張ったりして、収縮した筋肉繊維を、元の状態にひき伸ばしてあげる。それが、治療なんです」とまあこんな感じである。それに簡単に、「筋肉は、労働のやり過ぎたとか、運動をしすぎた。という時だけが、コリをつくるんではないんです。体を動かすような仕事でなくても、緊張している時間が長くなると、筋肉は必ず収縮します。また、強いストレスを感じた時なども、同様に筋肉は収縮するんです。それが、多くの肩こりの原因です」そこまで、言ってあげると、ほとんどの皆さんが、納得してくれる。
 そうして治療する時も、頭の中で、硬縮と言って、硬くなった筋肉の一本一本を、丁寧に引き延ばしていくイメージを持って、治療にあたるのである。そうしていくうちに、段々と筋肉が緩んでいき、はっきりと、指先の感覚に弛緩した状態が感じ取れるようになってくる。そういったことまで、頭の中に全て、イメジして治療にあたる。そういうことが、治療する人には大切になってくるのである。ただ、治療者も本気でかからないと、症状は、なかなか緩解しない。何にせ、はじめにお断りしたように、肩こりの治療というのは、肩だけではなく、肩甲骨を含めて、まわりの筋肉全部が、治療範囲である。頚、肩、背中、上腕、後頚部、場合によっては、腰や側頭部までに及ぶ。それらを全て治療していった時に、初めて症状が、すっきりと緩解し、ニュートラルの状態にもどるのである。
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