カテゴリ:脊柱管狭窄症( 2 )

☆山口先生がマンスリーセミナーのために用意してくれた15枚に及ぶ膨大な資料
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 もし、これを読まれる方は、私が、以前に書いた「脊柱管狭窄症ではなかった」を先に読んでくれることをお勧めする。というのは、私のこの疾患に対しての捉え方に、大変な変化が生じたからである。私は、今までの考え方からすると、脊柱管狭窄症は、重度の疾患であり鍼灸マッサージの治療では、治癒することは無理であると考えていた。ところが、以前、医者から「脊柱管狭窄症」と診断された患者さんを治療させていただいたことがある。私はこの患者さんに指圧による治療を行った。ところが、治療が3回を重ねたころから、症状として訴えられていた「座骨神経痛」の症状がほとんど消えていたのである。私は、この患者さんに、「脊柱管狭窄症」に特徴的に見られる「間欠跛行」が、みられなかったことで医者の診断に「誤診」があるという結論を下した。しかし、それ以来、この「脊柱管狭窄症」にたいして何かこころに引っかかるものがあり、気になっていた。それが、先日の専門学校時代にお世話になった山口先生の「マンスリーセミナー」により、脊柱管狭窄症治療が可能であると思えるようになったのである。

 「脊柱管狭窄症」の好発年齢は、40代から、高齢者の男性に圧倒的に多い。また、加齢による骨の変性もあるということで、実は私の治療の及ぶところではないという判断を前々からもっていた。私たちのような鍼灸マッサージ師は、治療するのは、筋肉・神経・血管・リンパが対象である。それらの問題なら、治療の範疇であると考えている。しかし、骨の問題はどうもという考えが私の頭の中にある。そういうことから、今まで実際に、「脊柱管狭窄症」で問題の明らかに間欠性跛行のみられるような患者さんには、理由を説明した上でお断りしたこともある。ただ、「人を診る」のが私たち鍼灸マッサージ師の仕事。これでは、「病気を診て、人を診ない」お医者様と同じになってしまうではないか。という気持がどこかにあった。また、脊柱管狭窄症の患者さんの特にお困りの症状は、腰部脊椎狭窄症に関していうと、「腰痛」や「下肢痛(座骨神経痛・大腿神経痛・閉鎖神経痛)」などである。少なくてもこれまでの実績からすると、指圧による治療が、これらの治療に効果的であることは、明らかな事実である。だから、私の頭の中では、「脊柱管狭窄症」とは切り離し「腰痛」や「座骨神経痛」の治療を行う。という観点から、治療にあたらせてもらっていた。

 ところが先日、行われた山口先生のマンスリーセミナーで、問題の椎骨と椎骨の間にある「椎間円板」の「再生」が可能であることを知ったのだ。これは、いままで骨の問題として諦めていた私にとては、まるで天地がひっくり返るくらいの驚きであった。先生は、臨床において、「運動」を大変に重要視している。これは疾患を克服する上でとても大切なことである。その問題の「椎間円板」も椎骨の上下動による運動で起こるパンピング刺激により再生が可能であるといわれるのである。これまでも、「腰痛」や「下肢痛」のみられる患者さんの中に、運動で治癒した例があることはわかっていた。「走り始めるようになってから治った」とか、「最近、山登りを始めてから腰痛も座骨神経痛も治ってまったよ」というようなことは、よく聞いていた。しかし、これも椎骨の上下運動によるパンピング刺激であるといえる。つまり、骨の再生に、「カルシウム・ビタミンD・骨振動による刺激」が必要な条件であるように、「椎間板」にもパンピング刺激が必要ということである。少し過激ではあるが、上手に「歩く」「走る」などの運動を取り入れていくことで、椎間板の再生に多いに役立つことがわかっただけでも、大きな収穫であった。本当に、山口先生のいわれるように、「脊柱管狭窄症」も患者さんの努力次第では、治癒が可能な疾患であるかもしれないのだ。

 私は、早速頭の中で「脊柱管狭窄症」の治療をシュミレーションしてみた。まず、背中や腰部の拘縮を徹底的に取り除き、痛みや緊張を解いてゆく。特に腰部は、治療の要でもある。「脊柱起立筋」や「腸腰筋」の治療は、これまで通り徹底して行う。そして、「中臀筋」や「梨状筋」などの臀部の拘縮を取り除き、痛みや緊張を解いてゆく。「座骨神経痛」や「大腿神経痛」などの治療で痛みを取り除くことができたら、これで、治療も半ばを終了したことになる。これからが、「椎間板」の再生に向けてのプログラムが、開始される。私が、運動を治療に取り入れたいと考えているのは、以前このブログでも紹介した「トランポウオーク」である。実にトランポリンを使って、歩く運動は、体重の60%を吸収してくれるため、この種類の治療にはもってこいの運動である。しかも、「トランポウオーク」は、姿勢の矯正に大変に役立つ運動であるため。「椎間板」の再生には、これ以上の運動は、他には考えられない。無理なくこの運動と指圧の治療を平行していくことで、おそらく患者さんの身体には、「椎間板」の再生という大変な進化が見られることであろう。私の胸は高鳴る。私は、もし患者さんが希望されるなら、ぜひこの治療をやってみたいという気持がある。患者さんと治療者が、二人三脚で取り組むこの治療には大変な価値があると思っている。


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☆脊柱管狭窄症といわれたAさんの初回の問診

 65歳の男性、金属加工のお仕事をやっているAさんが、治療院にみえたのは今年の2月21日だった。主訴は、腰痛と首の痛みである。Aさんは、40歳の頃、今から25年程前に車の追突事故に遭われている。後ろから車に追突された。「むち打ち」をやってから首から肩にかけて痛みが走り今もそれが治っていない。首の牽引や月に1度、いろんなところでマッサージに通っていた。また、腰痛暦も長く20代の頃から痛みだした。多分、若い頃から仕事で重いものを持ち運ぶことが多く、無理をしたのが原因だと考えている。特に右足下腿(膝から下)の外側にしびれがある。気にかかるのは、通院している整形外科の先生に「脊柱管狭窄症」と診断されたことだ。

 昨日、Aさんが3週間ぶりに治療に見えられた。初診は先月の2月21日。今回で3回目の治療ということになる。このAさんで気になることは、通院している整形外科の医師に「脊柱管狭窄症」という診断を受けているということだ。腰痛の中でも「脊柱管狭窄症」というのは重症の部類にはいる。なぜなら、原因が骨の変性にあるからだ。中枢神経が背骨の中心脊柱を通っているわけだが、その管である脊柱管の間が狭くなり、中枢神経が圧迫を受けている。そのために腰痛、座骨神経痛など様々な痛みを引き起こす。しかし、その原因が「骨の変性」にあるということで整形外科でもなかなかどうすることもできない病気である。ましてや、神経や筋肉が治療の対象である私たち鍼灸マッサージの治療院では、痛みの軽減にはなるかもしれないが、治癒は望めない病気である。
 
 私は、以前にも書いたことがあるが、師匠の教えから、「治療院」として看板を掲げる以上、お引き受けしたからには、「治させていただく」ことを目標にしなさい。そうでなく自分でこれは無理だと判断した時には、丁重にお断りしなさい。と言われている。だからこの患者さんに医師から「脊柱管狭窄症」だと診断された。と、聞いた時には、正直言って、随分迷ったのである。しかし、「脊柱管狭窄症」の特徴である。「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といって、歩行障害のひとつ。歩いていると腰に痛みを生じ、少し歩いては休み、また、少し歩いては休む。休むときも背中を前屈みにしていると楽になる。といったような症状は、Aさんには見られない。下腿の痺れから「座骨神経痛」であることは確かだが、「脊柱管狭窄症」といわれる程重症とは見えなかった。しかも、前も同じ整形外科医から、以前「五十肩」である。と、診断された別のが患者さんが、単なる「肩こり」だった。ということもあった。だから、今回も少し治療しながら、様子を見ることにした。

☆3回の治療を終えての所見

 Aさんの治療は今日で3回目になる。診察を始める前の問診では、腰の痛みよりも後頚部がつらいとのことだった。初回の治療では、首、肩、背中、腰のどこをとっても硬くて、マッサージをしていても、なかなか歯が立たないような印象を受けた。特に頚部と腰部は指圧をしている指が入っていかないで、押し戻される印象さえ受けた。しかし、臀部の「中臀筋」や「座骨神経痛」の原因とも言われている「梨状筋」などを指圧してみると、すごい反応ぶりだった。間違いなく「座骨神経痛」である。その時のAさんが、こんなことを言われた。「先生、そこ痛いねえ。私もいろんなところでやってもらったけど、お尻の筋肉をやってもらったのは初めてだね。それに、首もこんなに丁寧にやってもらったこともないね。また、先生は、私のつらいところにピッタリ手がいってるよ」と、大変な喜びようだった。それがどうだろう。3回目の今日は、「梨状筋」を押さえても痛がる様子が見られない。またいつの間にか、右足の膝下外側にあった「痺れ」もなくなっている。「座骨神経」にそって指圧を試みたが、痛がる反応が見られなかった。そのことを、Aさんに伝えるとAさんも初めて気づかれたようで驚かれていた。腰痛も楽になっており、「座骨神経痛」がいつの間にか治っていた。また「むち打ち」で痛めた首も、まだ硬いしこりのようなものが何カ所かあるが、肩こりがすっかりなくなって軽くなった感じがすると言われたのである。回を重ねるたびに症状の改善が見られるようになってきた。

 さあここで私が考えることは、「本当にAさんは脊柱管狭窄症だったのだろうか?」という疑問である。よくなった「座骨神経痛」は、確かに「脊柱管狭窄症」の症状のひとつである。世間ではその「座骨神経痛」は、なかなか治るものではないという定説があるらしいが、私にとっては、余程の年齢の方でも「ガン」か「糖尿病」を患っている方でない限りは、ほとんどの場合が、治させていただいている。しかし、もし借りにAさんの「座骨神経痛」が、「脊柱管狭窄症」の症状のひとつとして起こっているものであるならば、そんなに簡単に、よくはならないと考えるのである。ということは、考えられることはひとつ、Aさんを診断した整形外科の医師の「誤診」だったと言わざるを得ないのではないだろうか。多分、レントゲンもとって画像からそのように診断されているとは思うのだが、一人の患者さんに対して与えられる診察時間は、おそらく、10分もないだろう。いや5分もあるかないかだろう。そこへいくと、私たち鍼灸マッサージ師は、必要とあれば、問診にも時間がたっぷり取れる。また、治療しながら、検査をやっているようなところがあり、患者さんの反応からも症状を判断することもできる。だから、医師しかくだせない「診断」もない代わりに「誤診」もないのである。多分、私が判断するところAさんは、「腰痛」からくる「座骨神経痛」だったのではないかと思う。これはたまたま、Aさんの例から私の感想を述べさせていただいたが、このように、「医師の診断は、〜だったけれど、本当は、〜だったのではないか」と思われることがよくある。こと「神経」や「筋肉」に関することは、「整形外科」で検査をするのはいいが、「治療」ということに関していえば、「鍼灸マッサージ」に任せていただきたい。と思うのは、私だけだろうか?


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