カテゴリ:椎間板ヘルニア( 1 )

 椎間板ヘルニアというのは、腰椎の間にある椎間板が、飛び出すことで神経根を圧迫し、腰痛を引き起こす病気である。比較的、若年層にも多く見られる。ポピュラーな腰痛の原因のひとつである。整形外科では、レントゲン撮影で椎間板の飛び出しが確認できるために、神経根を圧迫している様子がよく分かる。この場合、ひどい場合は、入院して様子を見る。安静にすることで痛みが治まる場合もある。それでも痛みが治まらない場合は、ブロック注射で痛みを抑える。それでも、痛みが治まらない場合は、手術により、飛び出した椎間板を切除することで、神経根への圧迫を取り除く。ところが、最近では、椎間板の再生に支障があるということで、このような手術をしないで、治すことを考えるのが、主流となってきている。そこでは、「鍼灸マッサージ」などの治療は、もっとも有効な治療法であることはいうまでもないことだろう。

 そもそも椎間板ヘルニアがなぜ起こるのか考えてみる必要がある。椎間板は、もともとは、椎骨と椎骨をつなぎクッションの役割を果たしている。それが飛び出すということは、それをサポートしている筋肉が異常なくらいに拘縮していることを表している。脊柱を支える筋肉としては、伸筋群として、多裂筋、最長筋、腸肋筋などの脊柱起立筋がある。また、屈筋群として主に大腰筋がある。これらの筋肉が拘縮してくると椎間板は、上下から圧迫を受けることにより、飛び出すことが考えられる。ということは、単純に考えても、拘縮している筋肉を緩めて柔らかくしてあげることで、椎間板の飛び出しを食い止めることができるのだということが考えられるはずである。だから、椎間板ヘルニアって聞いてもそんなに驚かなくてもいい。それより、治療の専門である信頼できる鍼灸マッサージ師を探すことの方が、より大切になってくる。

 ここで心配なのは、知らないことのために、患者さん自身が、謝った治療を受けてしまわれることだ。先に整形外科の治療の話をしたが、病院で処方される痛み止めの内服薬は、あまり飲んで欲しくない薬である。神経が痛みを発するのは、身体が、私たちに警告を発しているからである。「これ以上無理すると危険ですよ」言葉を発する変わりに、このような痛みという現象を起こすことで私たちに危険を促している。これはまさに、身体を守るための安全システムが正常に働いている証拠である。「鎮痛剤」が、いかに私たちの身体のシステムからいって自然に反するものかは、以上の説明でわかっていただけだと思う。ましてや、神経を麻痺させることで効果を発揮する「ブロック注射」が、いかに危険な物であるかは、想像するだけでも恐ろしいことだと、私には思える。ましてや、このような、神経に作用する薬なり注射なりの治療を受けた患者さんほど、私たち鍼灸マッサージ師の治療に、効果が発揮されにくい。それは、いうまでもないことである。

 また、比較的同業者のように扱われやすい。「整体」や「日本カイロプラクテック」のような無資格者が、「骨のずれが原因ですから」といって、無理にポキポキと関節を矯正するのは、危険そのものの行為である。もう一度、椎間板ヘルニアを引き起こしてきたことが、神経や筋の問題であることを考えれば、これらの治療は、そもそも原因をはき違えていることが、おわかりのはずである。たまたま、このような治療は、結果オーライで、たまたま、偶然に快方に向かうことがあるが、その逆の場合も大変に多い。それは、無資格者の医療行為を放っておく行政も悪いが、うかつに、ご自分の大切な身体を任せる患者さんの方にも、「油断」があったことを否定できない。と私は思う。いずれにせよ、知らないということのために、患者さんが、謝った治療を受けてしまわれているということが大変に多い。ということを言及しておきたかったのである。

 また、もうひとつ、このブログの前に「それってちょっと違うんじゃないの?」で書かせてもらったが、患者さんの多くが運動不足であることを理由に、運動療法を安易に行っている場合がある。いかに医者に紹介されたからといって、治療以前にこの運動療法を取り入れた場合、逆療法になる場合があることも知っていただかなければならない。腰痛という痛みがあるうちは、まだ、運動療法を取り入れるべきではない。きちんと痛みが治まってから、徐々に、身体に負担のない運動から初めて行くべきである。

 私が、この椎間板ヘルニアからくる腰痛の場合、「トランポウオーク」が最も治療にふさわしい運動療法になるのではないかと思っている。その理由として「トランポウオーク」は、身体の姿勢の矯正やバランスを何よりも大切にする運動であるからだ。正しい姿勢で運動が行われている場合、故障や症状の悪化は、ほとんど考えられない。トランポウオークで使用するミニトランポリンは、人間の体重の70%〜80%の衝撃を吸収し、足や腰にかかる負担を軽減できることは、既に証明されている。これなら、腰椎のヘルニアや膝関節の靭帯を痛めている患者さんにも安心してお勧めできる。

 また更にいうなら、このような上下に体重による圧迫が加わる「パンピング刺激」は、痛めた「椎間板」や「靭帯」の再生に必要不可欠な刺激となるのである。人間の身体は、確かに適度な運動が必要である。しかも段階を負った運動療法は、自然治癒力を更に高め引き出すことになる。だから、正しい姿勢で歩くということを前提に、その前段階として「トランポウオーク」を、ぜひこの「椎間板ヘルニア」の運動療法に取り入れて欲しい。これは、「トランポウオーク」の愛好者であり治療家としての提案である。私は、偶然ではあったが、この「トランポウオーク」との出会いは、治療に運動を加えるといった、これまでの私には、考えられなかった「最善の治療法」を考えさせるきっかけを与えてくれたと思っている。
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