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emoticon-0128-hi.gifまずは自分の身体の状態と患側と健側を知ろう

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治療のはじめは、まず患者さんの身体を診るところからはじまります。患者さんが玄関から入ってきて、歩いている様子。玄関の段差を上がる様子。そういうところまで、治療者は見逃しません。予診表に症状を書いてもらいますが、この時に、疑問に思ったことは質問します。ですから、この時点で治療者の頭の中には、症状・原因・治療方法などの大まかな青写真ができています。

でもそれでも、ここまでは頭の中で行なう操作ですから、現実には、視診・触診・問診で実際には、治療方法の修正がたくさん行なわれます。これは、患者さんが訴えられる症状と、治療者が、触診によって知る症状とは、必ずしも一致しないからです。実際には治療していくことでわかってくることはたくさんあります。ですから、治療者は、決して、早とちりして決めつけてかかることは決してしません。

でも患者さんは、どうしてご自分の症状が、正確に治療者に伝えられないのでしょうか?そこに「痛みは優先順位をつける」という性格があったり、時間の経過とともに症状は変わるので、なかなかご自分で把握することが難しいのです。でも、わたしたちの治療のいいところは、治療することで患者さんも自分の症状で気づかなかった部分を知ることができます。わたしたちも同様に患者さんの症状と変化を把握することができるのです。

わたしは、よく患者さんに、「ご自分の大切な身体ですから、よく知ってください」というお願いをします。そして、「もし疑問な点があれば、遠慮しないで、その都度、質問してくださいね」というお願いもしておきます。患者さんも治療者も、「まずは身体の状態を知る」ということがとても大切なことだと思うからです。

ところでみなさんは、「患側」「健側」という言葉をご存知でしょうか?こうして漢字にしてみますと、ほとんどの方は、意味から予測がつくのではないでしょうか。「患側」は、わずらう側と書きますから、わるい方の側です。そして「健側」は、健康の健ですから、すこやかな側、つまりいい方の側ということになります。首こり肩こり腰痛をみますと、身体というのは、両方同時に痛みだすということはありません。はじめは、右側か左側かどちらか一方から、症状がはじまるのです。

ほとんどの場合は、右利きの人が多いので、右側が患側であることが原則です。もちろん例外もあります。そのときは、患者さんに仰向けで横になってもらい、両方の上腕骨頭の辺りをぐりぐりと触診してみるとわかります。明らかに硬さを感じます。患者さんに聞いても患側が痛いと訴えます。ですから、上半身はすべて、首・肩・腕、すべて右側が患側であることがわかります。

さてここからなのですが、実は治療者もわかっていないことが多いのですが、腰から下の下半身はどうなのかというと、患側と健側が、ヒックリかわるのです。一般的には、左側が患側で右側が健側なのです。それを知っておくことで、治療者も治療に活かせるし、患者さんも、自分の身体を知ることで、予防やケガなどの危険から回避することができるのです。

ところで、中には患者さんの中で、触診で患側が明らかなのに、ご自分の自覚症状では「健側」の方が痛いとおっしゃる方もいます。これは、症状が長くなり慢性化したり、重症化すると、痛みが両側に及んでくるからです。この場合は、もとの患側は、痛みが麻痺して、自覚症状からはズレてしまっていることがほとんどです。そして、その状態はとても危険な状態であることは申し上げるまでもないことだと思います。症状は更に重症化していきます。

人間の身体は、本当に不思議ですが、必ずどのような病気でも、はじめは首こり肩こり腰痛からはじまるのです。そして、それでもダメな場合は、神経痛というかたちで、さらなる痛みをもってわたしたちに知らせます。これはまるで、痛みを通して、わたしたちにメッセージを発しているようなのです。みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、座骨神経痛・大腿神経痛・肋間神経痛・三叉神経痛などがよくある神経痛の代表格です。でもまだ、痛みをともなうだけ、救える手立てはあるのです。

ではこれが更に重症化してくるとどうなるかといいますと、今度は自律神経に症状に発展してくるのです。自律神経といえば、「自分でコントロールすることができない神経」のことですから、その代表格は、心臓・肝臓・腎臓などの内蔵であったり、胃・大腸などの器官であったりするのです。胃や腸の働きがおかしいというのは、その辺から来ているのです。でも怖い話ですが、癌などの大病ともなると、もう「痛み」はともないません。これはメッセージの次元を越えてしまっているからです。そうなることはぜひ避けてほしいものです。

もうひとつ、健側と患側が自覚できなくなる患者さんの場合をお知らせします。それは、鎮痛薬や精神安定剤等の薬を服用されている患者さんです。こうした患者さんは治療者は、要注意です。それは本来痛みを感じるはずの部位に痛みを感じないという状況が生まれているからです。こうなると患者さんの自覚症状は、健側と患側が見事にかわってきます。この場合も、もちろん治療できますが、治療期間が、薬を服用されていない患者さんに比べ、少し長くかかることを、治療者も患者さんも知るべきです。やはり、鎮痛剤などの薬は、鍼治療の妨げになることは明らかなのです。
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emoticon-0128-hi.gifこれからは指圧鍼灸治療の発展のために!

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今年の夏、東海医療専門学校を卒業して7年目。ということで初めての同級会が、三島で行なわれた。久しぶりの同級会ということで、クラスの半分以上が出席して、大盛況だった。クラスの大半は新卒の若いメンバーだっただけに、7年の歳月は、それぞれの近況に、大きな変化をもたらしていた。女性の多くは、新しい姓に変わっていたし、妊娠ということで出席できない同級生もいた。また、お子さんが小さいということで、お子様連れの同級生もいた。それぞれに近況の変化があるようで、尽きぬ話に会場は賑わった。

その情報交換の中で、気になる話題をいくつか披露したい。その中でまずはいい話題から。同級生の何人かが集まり、ひとつの治療院を経営している。もちろん在宅の仕事も含めて、大規模な治療院に発展していた。また、治療院の経営者として、成功を収め、二つ目の治療院の経営も手がけているという社長さんもいた。また、美容関係でマッサージの腕を磨き、東京の六本木でフェイッシャルマッサージのスペシャリストとして活躍している同級生もいた。または、専門学校で、今度は教師として、教えている立場になって活躍している仲間もいて、それぞれの活躍発展ぶりに、目を見張るものがあった。

ところが一方で、せっかく治療院を立ち上げて独立した仲間が、経営難に陥り閉院した。あるいは、在宅でやってきた会社組織に勤めていた人が、競争が激化したことが原因で、倒産してしまい。そのままリストラされてしまった人。あるいは、生活のために、副業までやってやりくりしてきたのに、いつしか、本来の鍼灸マッサージ師の仕事から、まったく無縁の仕事を始めることになった人など。鍼灸マッサージ師の世界も、一般社会と同じように、リストラや廃業などの、現代社会がかかえている問題と、無縁の世界ではなかった。

こういう話は世間でもよくある話だが、ちょっとわたしは、悲しい気持ちがわいてきてしまい。こころの中で、無念さを味わった。なぜなら、この専門学校の3年間は、ちょっと今までの学生生活とは違う3年間だったからだ。わたしは、今まで小中大学といろいろ学生生活を歩んできたが、この医療系の専門学校は、学生の雰囲気が今までとは違うと思っていた。みんな少しずつ目標に違いがあることは確かであったが、校風として一様に「困っている人を助けてあげたい!」という熱い志しを見たし、情熱のようなものを感じていた。だから、少数精鋭の厳しい勉強や臨床実習にもみんなよく絶え、がんばってきたという思いが、忘れられないいい思い出として、わたしの記憶の中にある。だからこそ、「みんなその熱い思いが、達成されてほしい」と思い。それを願い続けていたからだ。

でも現実は、本当に厳しい。「整体」という名前で、無資格の業者が、わたしたちの職域を荒らし、競争を激化させているし。在宅介護にしても、医療費が国家予算に莫大な赤字を生み、健康保険や介護保険などに厳しい制限が加えられているからだ。そうなると、競争が激化し、ますます、共存が難しくなるという状況は深刻化していくばかりなのである。現代社会には、矛盾は多い。それらの矛盾が解決されれば、理想社会が訪れるかといえば、一概にそうはいかないことはわかっている。でも現状としては、あん摩指圧マッサージ師・はり師・きゅう師としてやっていく以上、個人のたゆまぬ努力と、仲間のみんなと助け合いが必要なのである。

みんな働いている状況は、病院・整骨院・鍼灸院・治療院・在宅介護グループとそれぞれ違っているが、毎日毎日は、必死なんだと思う。こうして1日でも時間を割いて、「同級会」のために集まるのも相当な努力をして時間を割いてきているに違いない。みんな一人一人が、こんなにがんばっていても、それを認めてくれるくらい社会は甘くない。そういう中で「鍼灸指圧マッサージの治療」が、これから社会に認められていくためには、実績を積み重ねていくしかない。そのためにも、仲間の中で優れた臨床成果を納めているものがいたら、それを盗んでもいいから自分のものにし、個人でなく、みんなで臨床での力を蓄え、結果としての成果を高めていくしかない。卒業して更になお、わたしたちには、そういう自乗努力が求められている。これからは、指圧鍼灸治療の発展のために、自分自身もさらに研修を積み、惜しみない協力をしていこうと思っている。
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「人はなぜ肩こり腰痛をおこすのか本当の原因はなにか?」

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患者さんから、よく「わたしの身体はどうしてこんなに肩こり腰痛がおこるんでしょうか?姿勢がわるいからですか?」そんな質問を受けます。わたしの考えは、その逆です。肩こり腰痛がおこっているから姿勢がわるくなるのです。第一患者さんの多くは、ご自分で姿勢がわるいことを自覚されています。自覚されていながら、姿勢がわるくなるのはそれなりの理由があるからではないでしょうか。

人間は、肩こり腰痛がひどくなると、左右の足の長さまで違ってきます。それも1センチぐらいの違いが生じますので、重心は短い方の足にいつもかかっているといった状態です。解剖学的にいって、どちらか足が短いということはあり得ませんから、これは、短い足の方の骨盤が上に上がり傾きが生じているということです。

ではなぜ、どちらか一方の骨盤が上がって傾きが生じるのでしょうか?人間の背骨は、一本の骨からできているわけではありません。24個の椎骨という骨から成り立っています。頸椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個です。問題は、腰椎の第3番と4番と5番の骨が捻れを生じているからなのです。そこに捻れが生じたために、骨盤が傾きを生じるようななったことが原因なのです。

人間の身体は、全体がひとつながりでできています。左の腰(腰椎)と右の首(頸椎)は、同じような状態になりますので、腰椎が正常でないときは、頸椎にも捻れなどの症状が見られます。人間はほとんどの場合、ひどい肩こりに悩まされているときは、腰痛も同時に起こしていると言えます。「いいえ、わたしは腰痛はありません」と、おっしゃる方がいますが、わたしが触ってみると、「痛い!」と悲鳴を上げる方がほとんどです。これは、「痛みは優先順位をつける」性格があるために、肩こりの症状が最も強いとすると、腰痛は、その痛みに隠れてしまうという性格上、自覚症状として気づかないだけなのです。ちなみに首こりのない肩こりはありません。

さて今日の本題に入ります。「人はなぜ肩こり腰痛を起こすのか?」そのほとんどは「ストレス」です。昔の人のように、労働に明け暮れていた時代とは違い。ほとんどの家庭では洗濯機や掃除機といった電化製品にたより、昔のような労働による肩こり腰痛は、考えにくいです。会社も同じです。職種によっては重労働を行なう場合もありますが、逆に身体をよく使う職種の方が、肩こりの患者さんは少なく。職種でいえば、事務系の仕事、特にパソコンを長く使用する人が、患者さんとして一番多いのです。つまり、現代人の肩こり腰痛の、一番の原因は、「ストレス」なのです。とくに数字に追われ、数字として結果を求められる職種の人は、「ストレス」の度合いは普通の仕事の方よりも多くなるようです。

ところで、同じ職場に勤め、同じような仕事内容なのに、ある人は、肩こり腰痛を生じているのに、ある人は、まったくそのような症状は見られません。そういうことはどこの職場にも、みられることです。つまり、その仕事が忙しいから、直接「ストレス」の原因になるとは限らないのです。仕事にストレスを感じさせる要因があるにせよ。「ストレス」を感じるか感じないかは、本人の考え方、またはこころのあり方に問題があるといったことが、これまでの臨床からわかっています。

昔から、「心身一如」という言葉があります。つまり、「こころと身体は、一体である」という考え方です。「身体が病んでいるから、こころも病んでいる。その逆に、心が病んでいるから、身体も苦しいんだ」ということもいえるということです。わたしはこれまで、患者さんの治療を通して、大変多くのことを勉強させてもらいました。「わたしが使っている治療に関する知識や技術の多くは、ほとんど患者さんの身体から学ばせてもらったものである」といっても過言ではありません。

その中でも、最も大きかったのは、「人間の身体は、ひとつながりでできている」ということです。それがどこで繋がっているかと問われれば、「脳」なのです。痛みは、首であれ腰であれ膝であろうと、最終的に突き詰めていくと、その痛みは、脳で感じているのです。「わたしの治療である『神経反射療法』が、神経を通して、脳を治療している」とご説明させてもらているのは、そういう意味合いがあるからです。しかし、それだけでは、治療として十分ではないのです。それは人間の身体が、もうひとつ、こころとも繋がっているからなのです。

人間のからだが、なぜ肩こり腰痛をひきおこすのか?それがわかれば、肩こり腰痛はなくなります。もう私どもの治療院へ来ることもなくなります。それどかろか、「病気」とも無縁となります。なぜなら、肩こり腰痛はメッセージなのです。その方に、気づいてほしいというのが、肩こり腰痛がひきおこされる本当の原因なのです。このように、メッセージは、通常、言語を通して送られてくることはありません。ですから、このように、肩こり腰痛は、しっかり、「結果」として受け止め、何が「原因」なのかを考えてみる必要があるのです。

わたしは、治療家として、みなさんの身体の声を聴き、お伝えするのが、本来の役目だと思っていますので、わたしの知りうる限りで、ヒントを差し上げたいと思います。次の3つのうち、どれかに、みなさんに気づいてほしいことが必ずあります。「イライラ」「怒り」「心配」この3つのキーワードが、あなたが「肩こり腰痛」をひきおこしてきた、本当の「原因」だったのです。大半の患者さんは、「確かに」と納得される方がほとんどです。それに気づかれること。それが、今日こうして、「八倉治療院」へ治療に見えられた本当の意義だったのです。肩こり腰痛や病気は、「結果」なのです.そこには必ず「原因」があるはずなのです。

これからみなさんは、今日から、この3つのことを気をつけてみてください。それが本当に実現できた時、「病気」とは無縁なからだ。健康で肩こり腰痛とは無縁なからだになられることでしょう。


☆1つ………イライラしない。

☆2つ………おこらない。

☆3つ………(過度の)心配しない。


以上の3つです。


そして、最後に、最近よく注目を浴びている「脳科学」の視点でいろんなことが明らかにされてきました。そのために「脳科学」を勉強することは、わたしたち指圧鍼灸治療を行なうものにとっても欠くことができないものとなっています。そこで、わたしが患者さんを通して、臨床経験からわかったことをいわせてもらいます。

人間の脳は、「ネガティブ」なことが大っ嫌いなのです。その逆に「ポジティブ」なことが大好きで、人にそういう考え方、生き方をしてほしいようなんです。つまり、「イライラ」「怒り」「不安」は、「ネガティブ」な生き方の温床みたいなものです。特に、うつ病をかかえている人は「自分ではどうすることもできないことを、一生懸命考えている人」です。そうして堂々巡りを繰り返していると、しまいには、脳が疲れてしまうのです。ノイローゼは、そういうところから起るのです。

それから、人間の脳がよろこぶことを最後にお教えしますね。それは「嬉しい」「楽しい」「しあわせ」という感情が、最も脳を活性化します。ですからみなさん多いに「笑いましょう!」どうしても笑いの種がない人は、「おもしろい映画」を見たり、落語や漫才など、笑える種を見つけて、思いっきり笑ってください。どうしてもそういうものがない人は、わざと笑う振りをするだけでも効果はあるはずです。「笑う門には福来る」といって、幸福は自分から引き寄せるものなのです。

また「嬉しい」「楽しい」「しあわせ」に近いものとして、「気持ちがいい」「おいしい」という感覚は、脳をよろこばせます。そういうことを、実践されていくと、自然と肩こり腰痛のない身体になっていくのです。ぜひ参考にしてみてください。
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emoticon-0128-hi.gif鍼治療を妨げる鎮痛剤の功罪

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わたしの治療院では、ぎっくり腰のような気の毒なくらい痛む患者さんでも受け入れられるようになりました。では前はどうかといいますと、体を一歩も動かすことができないくらい激しい痛みを訴えられる患者さんは、自宅で完全に安静をするようにお願いしました。「3日間安静」に徹してくれていれば、確かに回復し動けるようになるのです。その上で「来院してほしい」という要請をしていました。これはずるいようですが、理にかなった指示です。ところが、そのぎっくり腰にも、鍼治療は、対応できることがわかってきました。どんなにかっこ悪くても、来院できるような状態であれば、治療は可能です。そのくらい鍼治療の効果は、驚異的なものがあります。つまりわたしがいいたいのは、相当な痛みであっても、鍼治療は効果が期待できるということです。

ところが、そのわたしが、ものすごく苦手とする患者さんいるのです。わかりますか?そう鎮痛剤を服用されている患者さんです。なぜかといいますと、鎮痛剤を服用されています患者さんは、わたしからいわせますと、「ものすごくへんなからだ」をしているのです。それはもちろん、見かけではありませんよ。触診してみて気づくことなんですけど、本来なら痛みを感じていい箇所が痛くないんです。患者さんは、普通、「医者に行った。検査をして、異状がないかを確認してもらって、痛み止めが出ただけです。でもこれが全然効かなくて、困っています。人から『鍼がいいよ』って聞いたのでこちらに来ました」と言うように異口同音におっしゃられるのです。

ところが、からだをよく診させてもらうと、明らかに「からだがものすごくへんなからだ」をしているのです。どんな感じかと言いますと、この患者さんは、明らかに、座骨神経痛がある。そのように患者さん自身も訴えているし、わたしが診てもやはり座骨神経痛である。ところが座骨神経痛にしては、誰もが痛みを訴えるような部位が、触診しても反応がないし、痛いはずのところが痛みを発していない。そういう場合が、とても多いのです。それは患者さんにしてみれば、「薬を飲んでいるけれども痛みがとれない」と言いますが、確かに部分的には薬は効いているのです。本来なら痛いはずのところが痛くないと言うのは、薬が作用しているからなのです。それ以外は考えずらい状況です。ではなぜ患者さんは、痛みを訴えるのでしょうか?それは、ほぼ100%に近いくらい、痛みが消失しないと患者さんは、よくなったとは認められないのです。いくら痛み止めを服用したとしても部分的には、痛みはあることはあるので、「よくなった!」とか「治った!」とは認めがたいんです。

でも「治っていない。」「よくなってはいない」と言う患者さんの声には賛成です。痛みと言うのは、実はメッセージ性がとても強いのです。時として人間のからだは、メッセージを発します。それが言葉であればどれほど助かるかしれませんが、残念ながら言語ではありません。「痛み」なのです。もうこれ以上は無理だからと言うことで、急性腰痛などの「ぎっくり腰」などは、からだそのものの動きを止められてしまうのです。これは、メッセージの中でも強いメッセージのひとつです。重要なのは、「もう動いちゃあいけないよ。安静第一」と、このようにして痛みはからだに警告を発していると言うことが大変重要なのです。これはつまり、痛みを伝達する神経は、いってみれば正常な働きをしているのです。逆にいえば、「痛み」によってわたしたちのからだは、危険な状態から守られているのです。

ところが「鎮痛剤」は、神経のもつ重要な働きを、妨げてしまっているのです。本来痛みを感じる場所は、尋常ではない状態にあるから痛みを発するのです。その神経の働きは、正しいのですか?正しくないのですか?という質問をされたら、誰もが「正しい」と答えるでしょう。そうそれが「正常」な働きなのです。ところが「鎮痛剤」はその神経の正常は働きを妨げることになるのです。それが、わたしがいう鎮痛剤の「功罪(こうざい)」です。確かに痛みを軽くすると言うことでは、「鎮痛剤」は、役立っているはずです。ところが、正常な働きを妨げているという点では、鎮痛剤は、「罪(つみ)」をおかしていることは間違えないのです。

ところが、わたしたちが行なう鍼治療は、いつも神経の働きを媒介とします。神経を通して、脳に痛みを感じている部位を教える。脳から出る「ベーター・エンドルフィン」のような神経伝達物質が、痛んだ筋肉などを修復する。いずれも神経を媒介としているのです。ところが鎮痛剤によって、神経のもつ働きが、破壊されたり弱められたりしていたらどういうことになりますか?もちろん、少なくとも、鍼治療の効果は半減します。あるいは効きません。これが、わたしが鎮痛剤を服用されている患者さんが、とても苦手とするのはそういう理由からなのです。ですから、どんなに激しい痛みを訴えられてきた患者さんよりも、鎮痛剤を使用されて見えた患者さんの方が、治癒力の回復が遅くなってしまうのです。

その象徴的な出来事があります。前に「治療する前よりも痛みが強くなってしまった。これはどういうことですか?」という質問をされた患者さんがいました。これはみなさんどういうことかわかりますか?実は第1回目の治療で、薬で抑えられていた神経の働きが「復活」したのです。ですから、本来痛いはずの部位が痛みを感じるようになったのです。これは、まさに治癒に向けての第一歩であり希望の光だったのです。わたしは患者さんに理解していただけるようにお話しさせてもらいました。案の定、3回目以降の治療の効果はどんどん上がり、治癒力が働きどんどん回復されていったのです。こういうことは本当によくある話なのです。

以上で、今日のタイトルである「鍼治療を妨げる鎮痛剤の功罪」の意味がわかていただけたでしょうか?本当はタイトルの「功罪」は、わたしにしてみればずいぶん遠慮うしてのものです。本当は「公罪」としたかったのですが、それでは、西洋医学の携わるお医者さんや薬剤師の先生方を、全部敵に回しかねないので「功罪」とさせてもらいました。そのくらい、わたしの鍼治療である「神経反射療法」は、薬の働きに妨げられています。今日は「鎮痛剤」を例にとってお話しさせてもらいましたが、「精神安定剤」も同様です。鍼治療の妨げになります。特に「精神安定剤」を服用される患者さんは、自律神経の働きに問題が生じます。でもそれを裏付ける根拠が乏しいので、今日の西洋医学バッシングはここまでとさせてもらいます。
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emoticon-0128-hi.gif鍼治療は神経を通して脳を刺激する全身治療です


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私の治療院は何年前かは、指圧を中心に治療を行なっていました。よく患者さんから聞かれる質問ですが、「鍼と指圧はどういう違いがあるんですか?」ということですが、どちらもツボを刺激してひびかせるという点では、感覚神経の感覚受容器を刺激することで、脳に刺激をあたえるわけですから、原理は同じです。ところが、問題はその刺激の強さです。普通、何も症状がない健康体の人に治療を行なった場合は、ほとんど痛みは感じません。ところが、症状が強ければ強い人ほど、受ける痛みは大きいです。特に、指圧のひびきはことさらこたえるようで、治療を受ける方の痛みの負担は大きくなります。そいうい時に、鍼がとても有効であることに、やっていくうちにわかってきたのです。

それから、効果の広域性と速度が違います。昔は、肩こり腰痛の治療をわけて行なわせてもらっていました。人間の身体は、「痛みに優先順位をつけます」普通なら、首こりと腰痛とは同時に起っているのですが、どちらか強い方に、自覚症状が集中します。よく患者さんで、私は肩こりは酷いですが、腰痛は今までに一度もつらいと思ったことはありません」とおっしゃるのですが、私が腰を触ると、「痛い」といって悲鳴を上げる方がほとんどです。ですから、肩こりがひどいという患者さんに、肩こりが楽になる治療をしてあげると、「今度は腰が痛い」ということで、ほとんどわけて治療を行なっていました。

ところが、鍼治療はどうかと言えば、まったく治癒の速度が違います。治療していくうちに痛みが消えて治癒していくのです。だいたい通常痛みは、左右の両側に同時に起るということはなく、例外はありますが、ほとんどの場合は首肩が右側が患側で、腰は左が患測です。もちろんその場合は、左首肩が健側で右の腰が健側です。ですから、治療は、基本的には、患側に治療を施します。これが私の行なっている「神経反射療法」の特徴です。こうすると今までわけて行なっていた、肩こり腰痛の治療が、一遍に初回のみで同時に行なうことができるのです。

ところが肩こり腰痛くらいで、すぐに来院してくれればいいのですが、ほとんどの患者さんは、慢性化、重症化してから治療院にやってきます。「八倉治療院の挑戦」に掲げた「八倉治療院は、どこの病院や整骨院や治療院に行ってもよくならない、ひどい肩こり・腰痛・神経痛でお困りの方のための治療院です」という看板通りの患者さんが多いので、必ず、頸肩腕症候群ヤ座骨神経痛や大腿神経痛の症状、または、頭痛や偏頭痛の痛みをともなう三叉神経痛のような症状がオプションでともなうことが多いのです。そして慢性化は、健側の方にも痛みの症状が広がっていくために、なかなか、初回の治療だけでは、やりおおせない場合が多いのですが、オプションが、いずれかひとつくらいなら、ほとんどの場合、初回の治療だけで終了することが多いです。

先日見えた患者さんも椎骨の捻れを修復して、骨盤の傾きを矯正し、足の長さが違っていたものを、正しい正常な身体に修復しました。それから、首こり肩こりと腰痛を回復させ、座骨神経痛を取り除き、右側の三叉神経痛から来る、頭痛と右の噛み合わせが悪く噛む時にガクガクするという症状を、正しく調整しました。最近は、ほとんどそんな感じの治療内容です。こういうことがどうしてできてしまうのか?自分でも、はじめは不思議で仕方がありませんでした。本当に鍼治療の効果は、驚異です。しかし、その答えは、治療に携わるものでなければ、わからないことかもしれませんが、人間の身体の仕組みと、鍼治療のメカニズムがわかってくると、すごい奇跡のような結果が得られるものだということがわかってくるのです。

1つ、人間の身体は、一つながりであること。そのことを理解すると、治療がスムーズに効率よくはかどっていくのです。「例えば、右首を治療することで左の腰が楽になっていく」と言う事実です。こういうことが人間の身体の中では無数におこっているのです。これは専門学校で、解剖学生理学では、勉強できなかった事実が、臨床という場には、起こり得るのです。何よりも確かなのは患者さんの身体が、わたしたちに真実を教えてくれているのです。そして最後に、「痛みは、身体の部分的なところで感じられたとしても、それらはすべて、脳で感じている」という事実です。これもまた、「そんなバカな」とお考えな方が多いと思うかもしれませんが、「鍼治療は、神経を通して脳を刺激する全身治療である」というのはこの点から来ているのです。

今日私がここに書きました内容は、専門家の方からすれば、あまりに多くの驚嘆すべき内容なので、もう少し、丁寧にひとつひとつに、もっとわかりやすい多くの説明が必要なような気がします。いずれかもう少し、読んでくださる方が、少しでも理解しやすいように、述べていくつもりですが、今は、タイトルが示すように、鍼治療は、究極的には脳を治療することであり、そのために、全身を治療していくことになるのだ。ということだけをご理解いただければよいかと思います。
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