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emoticon-0128-hi.gif 治療と同じくらい休養が大切!(後半)

Aさんは、問診からすれば、どんなに痛みがあるとはいえ、1〜2回で治療できる患者さんだと思っていました。ところが、2回、3回と治療を重ねても、「だいぶ痛みが楽になってきました」と仰るのですが、ベッドの上で身体の向きを変えるときや、寝たり起きたりする動きが、痛そうなんです。まるで、その動きは、「ぎっくり腰」をやってしまった人のような動きなのです。

「これって、おかしいなあ?どう考えても理解できない」わたしは、3回目くらいには、頭の中には疑問が渦巻きました。ところがAさんの問いかけから、その疑問が、消えてなくなりました。「先生、やっぱり身体を動かさなければ、よくならないんでしょうかね?」って、言われるんです。「病院でお医者さんから、『身体を動かさなければ、よくなりませんよ』っていつも言われるんですけど。なかなか、それができないんですよ」ってね。

このAさんも、お医者さんの間違ったアドバイスの犠牲者の一人なんです。わたしは、何度もこういう間違いから、回復できない患者さんを大勢見てきました。お医者さんは、口を揃えたように、やれ、リハビリだの、運動だのといわれるのですが、患者さんの身体の様子を、実際手で触って診ていないのです。これが、今、運動をやっていい身体の状態なのか、ダメなのか、その見極めがなされていないのです。状態の悪いときの運動は、かえって症状を悪化させるのです。

わたしは、ぎっくり腰で診て欲しいといわれてくる患者さんには、「完全3日間の休養」を義務ずけさせてもらいます。「トイレに行く時以外は、完全に横になっていてください。食事もできたらご家族の誰かに運んできてもらってください」とも言います。早くに治したいと思ったら、そのくらいの休養が大切なのです。

Aさんは、そういう質問をされたくらいですから、農作業こそしなかったようですが、あまり休養をとっていらっしゃらなかったようです。それどころか本気で、運動をしてみようかと考えていたようなのです。でもやっぱり、これでは、よくならないのです。治らないのです。

本当に、Aさんが口頭でも、歩き方やベットの上での動きからもよくなったのは、完全休養を強くお願いしてからの話しなのです。「先生、やっぱり先生のおっしゃる通りでした。トイレに行く時以外は、お正月も、布団の中で横になっていたんです。そうしたら、もうすっかり痛みがとれて、今は普通に生活できるようになりました」とおっしゃるのです。

このAさんは、4回目の治療が終わった後、こういう話しをしてくれました。「わたしは、前からずっと親指と小指が痛くて仕方がなかったんです。この痛みもどうにか治してもらうことができませんか?」病院では、痛い指を動かすように言われたんだそうです。でもこれもとんでもないことなんです。わたしの見立てでは、Aさんは、運動器系の症状では最も治療がむずかしい「頸肩腕症候群」なのです。このように患者さんというのは、なかなか症状を言ってはくれません。そして、問診でも性格に症状を、言ってくださっている訳ではないのです。

それにしても、患者さんは、医者や鍼灸師のアドバイスの違いに挟まれて、どうしたらいいのか悩んでしまうということがよくあるのです。でも、症状がある場合は、ほとんど間違いなく、運動はしてはいけません。そういう時の休養は、治療と同じくらい大切なものなのです。
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emoticon-0128-hi.gif 治療と同じくらい休養が大切!(前半)

Aさんが八倉治療院へ見えたのは、昨年の12月の中旬でした。70代の半ばの女性で、農業をやっている方です。そのAさんが、初診でお見えになった時、予診表の「どのような症状でお困りですか?」という問いに対して「10月より腰痛です。せき、くしゃみがつらいです。起きたり寝たりが痛みます。立ったり座ったりも痛いというか、にぶく痛みます。整形外科で3日前にレントゲンを撮りました。骨には異状はなく、むずかしい病気はないとのことです」それから、「現在何かお薬を飲んでいますか?」という問いに対して、「飲んでいません」と答えてくれました。どこの治療院でも同じだと思いますが、初診の患者さんをお迎えする時には、いっそう観察力を働かせるものです。

ご主人に連れられて、Aさんが、玄関から入ってくる様子は、まるで、ぎっくり腰でもやってしまった患者さんのような感じで、とても痛そうで、困っている様子でした。でも、70代といっても、これまでは、現役です。お茶などの農業をやってこられて、受け答えもしっかりとされているAさんを見て、わたしはきっとすぐによくなる患者さんだと思ってしまったのです。

それには、3つほど理由があるのです。その3つとは、下線を引いてある3つの箇所が、その根拠となっています。

1、「10月より腰痛です」

痛めた時期がはっきりしており、この年齢のわりには腰痛歴が短い。何でもそうですが、病歴が短ければ短いほど、治るのも早いのです。逆に言えば、Aさんが、「10月から腰痛です」といいきったということは、「10月までは、腰痛はなかった」と解釈できます。それに、10月と言い切ったということは、10月ごろに腰痛を起こしてしまった、何かきっかけがあったということで、その原因は何かをうかがえば、治療の参考になると考えました。だから、しめしめと思ったのです。

2、「整形外科で3日前にレントゲンを撮りました。骨には異状はなく、むずかしい病気はないとのことです」

2つ目の理由は、この患者さんは3日前に整形外科を受診していて、骨などの異状がない。また他にも腰痛を引き起こすような、やっかいな病気はない。となると、やっぱり、指圧鍼灸師としては安心します。腰痛に関わる脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアとか変形性腰椎症などいろんな病気の検査は、チェックを受けている。その上で「異状なし」の診断がある。ましてや、肝臓や腎臓の疾患の疑いもない。そうなれば、腰痛を治療する治療院としては、まず、安心して治療ができるからです。

3、「薬は飲んでいません」

最後にこれも、すごく早くよくなると思った理由のひとつです。よく患者さんの中には、病院へ行って、今朝を受けられるのですが、必ずといっていいほど、鎮痛薬を処方されるのですが、それが帰って、治療を長引かせる結果になるのです。わたしの行なっている指圧鍼灸の治療は、神経の働きが、必須なのです。薬で神経を鈍らされてしまうと、かえって治るときも、それが妨げになってしまうのです。以上の点から、「この患者さんは、痛みは強そうではあるが、早く治る患者さんだ」と、確信したのです。ところが、後で分かったことなのですが、そうはいかない理由があったのです。(つづく)
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