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emoticon-0128-hi.gif 鍼はどうして、コリや痛みをとって身体を楽にしてくれるのですか?

鍼灸治療院へ来られた患者さんなら、おそらく誰もがこのような疑問を持っておられるのではないでしょうか?素朴で簡単な質問ですが、これに対して、誰にでもわかるように、しかも簡単に答えることは、おそらく、ベテランの鍼灸師でも、なかなか難しいのではないでしょうか?

大変だとは思いますが、患者さんのこういう質問に、さらっと答えられるようでなければ、鍼灸院をやっていくことはできません。わたし自身もよく、患者さんから質問されることなので、今日は、初心にもどったつもりで、この質問に挑戦してみたいと思います。

わたしたちは、肩が凝ったり腰が痛んだりするとすると、首や肩や腰が、痛くてつらいって思います。治療者も、まず必ず、どこがいたいのかを、患者さんに尋ねます。腰が痛い、膝が痛い。肘が痛い。痛むところを特定するのです。ところが痛みというのは、どこが痛いといっても、実はすべて、脳で感じていることなのです。

ここまで、おわかりいただけると、後は簡単なのです。ところが、実は、治療者であっても、このことがよく理解できていないことが、往々にしてあります。ましてや患者さんなら、なおさらのことだと思うのです。

鍼というのは、患者さんが痛む箇所に打つことが多いのですが、身体のどこに打ったとしても、その刺激は、神経を通って、背骨を通過し、脳にいきます。これは、感覚神経といって、痛みや異状を脳に伝える神経の働きです。また、痛いつらいなどの状態を、わたしたちが自覚するのもこの神経の働きなのです。

鍼は、通常はツボといわれるところに刺すのが普通です。これは、簡単に説明すると感覚神経の先端に感覚受容器という。いわば、センサーの働きをするものがあるのです。鍼が、うまくこの感覚受容器の近くに刺さると、その刺激が、筋肉、神経、脳といった順に、最終的に脳に到達することになるのです。

身体が異状な状態にある時は、脳のどこかに、患部と同じように痛んでいる箇所があるからです。脳は、人間の身体の中で最も複雑にできているとこです。機械か手術で、それを探そうとすると大変なことなのですが、鍼を刺すことで、感覚神経が働いて、いとも簡単に、その痛んだ箇所に刺激を伝えてくれるのです。

刺激が脳に到達すると、どうなるかといいますと。その刺激を受けて、「ベーターエンドルフィン」という神経伝達物質が、脳から産出して、痛んだ脳の箇所を修復してくれるのです。もしこの脳による「ベーターエンドルフィン」を、人間が作った薬に例えるなら、「鎮静剤」とか「精神安定剤」あるいは「麻酔薬」といったものです。ただし、人間が作った薬と違って、副作用がないのが特徴です。神様がつくられたいいことずくめの完璧なお薬なのです。

もともと、わたしたち人間の身体には、潜在的に、自分の身体を治す働きが備わっていました。このベーターエンドルフィンの働きのことを、わたしたちは、免疫力とか自然治癒力といいます。こういう仕組みや機能が、潜在的に人間の身体に備わっていたということは、実に、神秘的な素晴らしいことなのです。

鍼は、「ひびき」という感覚をともない。ベーターエンドルフィンが出ると。一瞬にして、そのいたんだ患部を修復してくれます。それから、脳の働きや、それに繋がる神経の働きを正常にさせます。

いったん脳が正常になれば、今度は、筋肉の働きを支配している運動神経も正常な働きを取り戻します。こうして、わたしたちは、コリや痛みといった不快な感覚から解放された、健康で快適な状態を取り戻すことができるのです。

いかがでしたか、これは、専門学校の教科書にも出ていないことを、わたしの臨床体験から、知り得たことをもとに、わたしなりの言葉で表現させてもらいました。もしこれに関して、ご質問があれば、どうぞ遠慮なくご質問ください。わたしのわかる範囲で、気楽にお答えさせてもらいます。
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