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「頭痛薬を飲んでいるうちは頭痛は治らない。痛み止めを飲んでいるうちは神経痛は治らない」

あの、このタイトルは、長いですが、本当はさらに長く続くタイトルなのです。多分、何ページでも続けようと思えば、続けられます。試しに、もう少し続けてみましょうか?

痛み止めを飲んでいるうちは、生理痛は治らない。

降圧剤を飲んでいるうちは、高血圧は治らない。

便秘薬を飲んでいるうちは、便秘は治らない。

胃痛の薬を飲んでいるうちは、胃痛は治らない。

睡眠導入剤を飲んでいるうちは、不眠は治らない。

抗うつ薬を飲んでいるうちは、うつ病は治らない。

精神安定剤を飲んでいるうちは、精神不安定は治らない。

花粉症の薬を飲んでいるうちは、花粉症は治らない。

ステロイドを使っているうちは、アトピーは治らない。


ざっとこんな感じで、きりがないほど、このタイトルは、続けようと思えば、続いていくのです。皆さんはどうでしょうか?この中のタイトルで、なるほどなあって思えるものっていくつかありませんか?そういえば、確かに、薬を飲むこと。使用することで、一時的には、治るけど。また、一定の期間が過ぎると、同じことを繰り返している病気って、確かにあるものです。

でも、また、繰り返すようでは、それは、「治った」と言えるのでしょうか?「治まった」「抑え込んだ」と「治った」とは、ニュアンスがだいぶ変わってきます。最悪「誤魔化した」という言葉が、ありますが。「頭痛薬を飲んでいるうちは、頭痛は治らない」という、「不変の事実」は、ずっと言葉を変え、永遠に続けられているに過ぎないのです。

これは一体どういうことなのでしょうか?そこには、もう一つの「不変の事実」が隠されているのです。それは、「薬では、身体を治すことはできない」ということです。「クスリ」というものは、字の通り、人の体の状態を「楽」にすることはできますが、「治す」ことはできないものなのです。確かに、苦しい時には、一時的には、苦しみから解放はしてくれますが、やはり一時しのぎであることは、いうまでもありません。

ところが、鍼灸治療では、「一体これまでの苦しみはなんだったんだろう?」と思うくらい、継続的に苦痛な状態から解放されることが可能な時があります。頭痛、生理痛、高血圧、便秘、胃痛、不眠症、うつ病、精神不安定、花粉症、アトピーなどの病気や症状など、とても西洋医学的には治りにくい病気でも、鍼灸治療では、比較的簡単に「治る」場合が多いのです。

でも、ここでも語弊があってはなりませんから、正確に言わせてもらいます。別に鍼灸治療が、このような病気や症状を直接に治しているわけではありませ。もし鍼灸治療が、これらの病気や症状を治せるのなら、頭痛も生理痛も高血圧も便秘症も全ての人を鍼灸治療で治すことができるはずです。でもそこに、「治る人」と「治らない人」がいるのはどうしてなのでしょうか?

つまり、病気や症状を治しているのは、私たち自身の身体なのです。私たちの身体にもともと備わっている免疫力(=自然治癒力)というものがあります。その力が、症状を改善し、病気を治しているのです。

ですから、もう一度正確に言い直すことにします。私たちの身体の症状や病気を治しているのは、もともと私たちの身体に備わっている免疫力(=自然治癒力)であり、鍼灸治療は、その免疫力(=自然治癒力)を引き出す為のお手伝いをしているのに他ならないのです。

とても細かな結論を引き出すために、長く紙面を費やしてしまいました。最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。これだけの結論を引き出すために、わたしは、何年間も費やしてきました。わたしが、鍼灸師として、治療院を始めた頃、毎月のように師匠に報告させてもらった時期がありました。

「今月は、40人の患者さんを治療して治すことができました」そう言うと、師匠は、「ええ、誰が治したんですか?」と意地悪く問い返されたことが何回もありました。でも今回の私のブログを読まれた方なら、私がいかに「稚拙」な報告をしていたかがよくわかるはずです。
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「脳が治すのを諦めたとき、脳は同時に治すのをやめる」

久しぶりのブログです。最近は、ずっと更新ができませんでした。でいきなりこんなに難しいタイトルですが、とても気になるタイトルに挑戦してみようと思います。

わたしも鍼灸師としてこれまでも、多くの方の治療をやらせていただいてきました。その治療体験は実に貴重なものだったと思っています。わたしの臨床経験からいって、明らかに、「やりにくい患者さん」というのは、これまででいうと、ふた通りのパターンがあります。一つは、もうすでに手術をされている患者さん。もう一つは、これまでにたくさんの薬を処方されていながら、症状の改善が見られなかった患者さんです。

もっとも、そのいずれもうまくいって、病気なり、症状が良くなっていれば、わたしどものような治療院へはやってこられなかったはずですから、こういう患者さんに出会うことは、そんなに滅多にはありませんとは言い切れません。

もちろん、お話を聞いた上で、これは、私が出る幕ではないと判断した場合は、丁重にお断りしているので、ほとんどの場合、幸いにも、これまでは、苦戦を強いられることはあっても、治癒することが、不可能だと感じたことは、ほとんだありません。もちろん、鍼灸治療というものは、「治す」というのは、私が直しているのではなくて、患者さんが、もともと持っておられる、自然治癒力とか免疫力なのであって、わたしのやっていることは、ただ、それを引き出させてもらうお手伝いをしているだけなのです。

ところが、本日のタイトルである言葉は、わたしが最近、師匠にご指導されている時に、ちょっと気になったお言葉だったのです。そういえば、わたし自身も、やりにくいというより、絶対にはじめから、ダメだと思うのが、初めから、ご自身が、諦めていらっしゃる患者さんなのです。

わたし自身、鍼灸の治療は、西洋医学のように、強制や強引さは、一切ありません。いつも治すか直さないかは、患者さんの判断一つにかかっているのです。あくまでもそれをお手伝いさせてもらっているのが、私たち鍼灸師の仕事なのです。

ただ、師匠のいわれる「脳」という言葉には、とても深い意味があるように感じました。私の治療院へ見えられる患者さんの多くは、「ハリ」というのは、とても不思議な、治療のように感じられるようです。さっきまで痛かった部位が、ハリを打つことで、あっという間に、その痛みが消えてしまうのです。それを目の当たりに経験された患者さんなら、きっと驚かれて当然だと思うのです。

体験されたことがない方には、いささか不親切な説明になりますが、鍼は、神経を通して、脳を治療するとても進んだ治療法なのです。これが、紀元前前から行われていた伝統医療だとは信じがたいものなのですが、ある面とても神秘的な治療法でもあるのです。

でもここで大切なのは、脳の働きが、すべて治癒するかどうかのカギを握っているということです。「諦める」というのは、脳が可能性を拒絶することに変わりはないのです。ですから、初めから、わたしたち鍼灸師は、「わたしの病気は治りますか?」と懐疑的におっしゃられる患者さんには、積極的には、説得はしません。「どうしても辛くてて困っています。助けてください」ここまでおっしゃられる患者さんでなければ、あえて、困難な治療に取り組む意欲は湧いてこないのです。

でもあえて、人のこころと身体を知れば知るほど。人間の脳の働きを知れば知るほど、「諦めてはいけない」ということの重要性を理解するようになるのです。

「諦めたくなる」という気持ちも、私にはわからないわけではありません。本当に世の中には、よくわからないほど困難な病気や症状というものは、山ほどあります。何度も治療しようとしてやって努力すればするほど。その困難さに辟易(へきえき)してしまう気持ちもよくわかります。

「お金もかかります。時間もかかります。治るという保証もない治療に、誰が本気になるものですか?」そういう患者さんの本音が、聞こえなくても聞こえてくるような気がします。でもあえて言わせてもらえるなら、私はこう考えます。

「心身一如(しんしんいちにょ)」病気を治すことは、自分自身のこころや生き方そのものを考え直し、「こころが変わること」「カルマを変えること」につながっているのです。多分、人間の生き方で、最も尊い行いの一つだと言えるのではないかと信じています。

「私たちの身体は、実は、わたしたち自身のものではありません。神様からお預かりしている、この世で最も大切なものなのです」そういう師匠のお言葉が、私には聞こえてくるのです。

ですから、いつどのような場合でも「諦めてはいけないのです」
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