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愛犬は、最高のセラピスト

029.gif2年前までパクは、私の最高の「セラピスト」だった。
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ドクター・ワイルの「ナチュラルヘルス」

029.gifドッグ・サイコセラピー 
文・アンドルー・ワイル  訳・上野 圭一

 「 わたしはローデシア犬のメスを2匹飼っている。母犬とその娘だ。
犬はわたしの生活の一部であり、犬なしで長期間暮らすことはとても考えられない。犬は私をよく笑わせ、ときには怒らせ、つねに無心の心を教えてくれる。
  犬とわたしは、ことばでは表現しにくい特別な絆で結ばれている。ふさぎの虫に襲われたときやすっかり参ってしまったとき、わた しは犬にサイコセラピー(心理療法)を受けることにしている。みなさんににもぜひおすすめしたい方法だ。
  母犬のほうに「お座り」をしてもらい、犬に向かって自分の気持や悩みを縷々打ち明けるのである。彼女はじっとわたしの話に耳を傾けてくれる。若いころに受けたフロイト派の精神分析医との違いは、犬のほうがあいづちが少ないということぐらいだ。費用もずっと 安いし(ビスケット一枚)どんなに醜い感情や行為について告白して も、無償の愛で応えてくれる。真の友情と支援を示してくれるのだ。

 ドッグサイコセラピーを15分も受けると、最悪だと思っていた問題も大したものではなかったことがよくわかる。動物を慈しみ、その 世話をすることはとてもいい修行になるものなのだ。
 ペットを飼っている人は飼っていない人より病気にかかりにくいということを裏付ける研究はたくさんある。飼っている人は重傷の病気になっても治りが早いというデータも出ている。ペットとは責任を負うべき対象のことなのだ。」

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 上記は、ドクター・ワイルの「ナチュラルヘルス」から「ドッグ・サイコセラピー」という文章を引用させてもらった。この文章からすると、犬は、立派なカウンセラーになれるということだ。どうもそう思っているのは私だけではないらしい。下線を引いたところからすると、あの世界で最も優れたお医者さんの一人である、アンドルー・ワイル博士が、自分の愛犬にカウンセリングを受けているらしい。これは、ホントに面白い話である。しかし、もし家でワンちゃんを飼っている人なら、多少の滑稽さはあるかもしれないが、誰もが納得のいく話であると思う。そういう私も、2年前までは、愛犬からセラピーを受ける立派なクライエントであった。

 今から2年前まで私の家では、14歳と8ヶ月になるゴールデン・レトリバーを飼っていた。名前を「パク」といい。とても賢い犬だった。私はかつて「不眠症」に悩まされたことがある。真夜中の2時か3時ごろ決まったように目が覚めてしまい。どうしても、眠れない日があった。そんな真夜中に、いくら家族とはいえ妻のヒラリーを起こすわけにはいかなかった。そういう時、私は決まってある行動を起こすこととにしていた。それは、ベットから静かに起きて、同じ寝室で眠っているパクのところに行くことであった。パクの鼻の頭にキスしたり、パクの身体をやさしく撫でて、ハグをした。そうするとパクは、わざと寝息を立てたりしていくらか迷惑そうである。しかしどうかすると、そんな私の顔に軽くキスを返してくれることがたまにあった。

 私は、アンドルー・ワイルさんのようにパクにカウンセリングをしてもらったことはない。多分、パクならきっと私の話を聞いてくれることはわかっていた。パクは、いつも話しかけると、首を何度も傾げながら、真剣に私の話を聞いてくれる。だから逆にあまり私の話を聞いてもらうことにためらいを感じていたのである。しかし、私は一方で、パクの迷惑も顧みず。真夜中でもパクを起こしては、愛撫と抱擁をくり返した。それがどれほど、私のこころを静めるのに役立ったかしれない。パクさえいてくれれば、私がどんなに不眠に悩まされ真夜中に起きてしまったとしても、私は、孤独ではなかった。パクは、私にとって最高のセラピストであったのである。

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029.gifパクのこのかわいい寝姿を見ると、真夜中でも抱きしめずにはいられなかった……。