ヒラリーさんは渡り鳥

☆カナダ・トロント市内にあるヒラリーさんのお母さんが住んでいる家です。
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☆家の前には、ハイ・パークという公園があります。大きさからいって日本では立派な湖ですが、向こうでは池といっています。池の周りを歩いて一周すると約1時間。散歩するのには最高です。
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☆その池には野鳥がたくさん生息しています。もちろん渡り鳥も住んでいます。
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029.gif三日前、ヒラリーさんはカナダに帰って行った

 わたしの奥さんは、渡り鳥である。三日前に、ヒラリーさんはカナダに帰って行った。そして、29日に日本に帰ってくる。カナダに行く時も「帰る」日本に来る時も「帰る」である。まるで、渡り鳥である。そう「ヒラリー」という名前の渡り鳥である。私たちは結婚して、21年目である。だから、もう21年間も、カナダと日本の渡りを繰り返している。こんなに長い年月、渡りを繰り返している鳥は、鳥の仲間の中でも、そんなに滅多にはいないだろう。

 そんな渡りのベテランでも、実は、今回のカナダへの帰国は、とても判断が難しかった。病気のわたしをおいて自分だけ帰っていいのか、本人は判断を直前まで迷っていた。わたしの病気は、実に長い。最近になってよくはなってきたものの、11月から仕事を休んで、休業はまだ続いている。いつも相手の立場に立って物事を考えるヒラリーさんなので、ほとんど、今回も、また諦めていた。そういうヒラリーさんの性格や気持ちをわかっていたので、今回は、そんなに簡単にわたしも諦めさせるわけにはいかなかったのである。

 そう実は、今回のカナダ行きの計画は、今回で2回目だった。わたしが病気になる前から一度、10月に帰る計画があった。もう飛行機の切符も手配してあったので、直前にキャンセルしてしまったのである。キャンセル料を払ったわたしたちもつらかったが、ヒラリーさんの帰省を期待して待っていたカナダのお母さんや親戚にも大変残念な思いをさせてしまった。だからそういう意味で、今回は、わたしが、辛抱する番になったのである。

 ヒラリーさんのカナダの両親は、5年前にお父さんを亡くしたが、お母さんが健在である。そのお母さんも今年80歳を迎えた。からだはとても元気で丈夫ではあるが、「糖尿病」という持病がある。そのためか、2年前に、脳に大きな動脈瘤が出来て手術をした。それに、目も悪くなって病院には定期的に治療に通っている。そんなわけで、ヒラリーさんの2年に一度の渡りもこれからは、毎年になりそうである。

 それにしても本当に仲の良い親子だ。カナダと日本とはなれているのに、3日に一度は電話をかけ合っている。ヒラリーさんは、お母さんには何でも話す人で、よく電話でわたしのことも話題にしている。だから、わたしの仕事のことも、私の病気のことも。カナダのお母さんは、何でもよく知っている。多分生活上のことなら知らないことは、ほとんどないくらいだ。わたしは英語が苦手でお母さんとは、ほとんど話さないが、そういうわたしでも、ヒラリーさんを通じてカナダのお母さんや、親戚のことは、結構よく知っている。日本にいると、隣に住んでいる人が、どんな人なのかもわからないことが多いのに、わたしたちの家族や親戚は、カナダと日本の距離は離れていても、とても近くに感じられる。
 
 それにしても、わたしはヒラリーがとてもうらやましく感じる時がある。わたしは、35歳の時に母親を交通事故でなくしている。だから、母親というものがどんなに大切な存在かがよくわかる。両親、特に母親がいるところが、本当の「ふるさと」なのだろう。だから今でもヒラリーは、日本に住んでいてもカナダは帰るところなのである。そして、お母さんが健在な限り、ヒラリーは、カナダに帰るのである。だから、ヒラリーさんは渡り鳥。誰にも止めることは出来ない。

 
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by yakura89 | 2010-12-16 11:49 | Trackback | Comments(0)
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