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「治療家としてのあゆむ道」・その1、科学者としての道

☆地上の楽園。エコリゾート「ピラマイ」は、本当に素敵なところです。たまたまですが、その時間帯はすいていて、このプールをヒラリーさんと二人で独占しました。なんと贅沢なことでしょう。
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 ある日師匠は、わたしに言いました。「治療家としてあゆむ道には、レベルの段階として三つの道がある。その第一は、科学者としての道。次が、哲学者としての道。そして最後は、宗教家としての道だ。最終的にはそこにたどり着く」興味がある内容の言葉だったのでとても心に印象深く残りました。そして、わたしなりにこう解釈しました。

 わたしたちのような「按摩マッサージ指圧師」は、よく「整体師」と間違えられます。前にもお話しましたが、有資格者と無資格者というだけではなく、大きな違いがあります。「按摩マッサージ指圧師」の場合は、なんで国家資格者として厚生労働大臣免許をいただいているかと言えば、医療者としての知識があるからです。わたしたちは、厚生労働大臣認定の専門学校で3年間の勉強を積みます。それが国家試験を受けるための条件です。ですから、専門学校の1年目の年は、主に人間のからだの仕組みや働きの勉強をします。それが解剖学・生理学の勉強です。それ以外にも栄養学・病理学などの勉強が加わります。医療者には、基礎知識として、科学としての医学知識が必要となるからです。その知識がなく医療行為を行うことは、非常に危険なことなのです。

 よく整体院にいくと背骨と骨盤のゆがみを指摘されます。それ自体は、間違ってはいません。しかし、カイロ系の整体院ですと、だからといって、いきなり背骨をボキボキとやり始めるのです。どうして背骨と骨盤のゆがみが生じたのかという医学的な裏付けを解明する知識はありません。ですからいきなり危険を伴う医療的な行為が始まるのです。医療行為と医療的な行為では、天と地ほどの違いがあります。ですから、事実として、整体院では、医療過誤が多いのです。それはそうです。時々インターネットを見ていても「整体師になろう」という広告を見ます。しかしその期間は、2週間くらい、長いところでも1ヶ月ぐらいです。その短い期間に、どうして、医学の基礎を学ぶといえるのでしょうか?どうして、その程度の知識で人の大切なからだが治療できるのでしょうか?患者さんの中でも「整体にいって脱臼したり骨折してしまった」という患者さんが、いるのはそういう理由からなのです。整体のように治療方法だけを勉強してもだめなのです。治療の裏付けとしての医学知識が必要なのです。

 わたしたち按摩マッサージ指圧師は、治療するときには、筋肉・神経・骨などを意識して行います。また、症状の原因や治療方法を考えるときには、「体性内蔵反射」というような生理学でつかんだ知識を応用して治療にあたります。ですから、治療家としての第一歩は、「医学」の専門家、科学者である必要があるのです。今まではどうであったかは知りませんが、これからの治療者は、患者さんによくわかるように症状や、症状をひき起こした原因や、治療方針などを、誰にもわかりやすいように、医者と同じような医学用語を使って説明する義務があります。そのためにも西洋医学の知識は、欠かすことができない必要条件なのです。ですから、国家試験が終わったからといって、解剖学や生理学の勉強は、怠ることができないのです。治療家としてあゆむ第一歩の道は、科学者としての道です。
by yakura89 | 2011-01-28 09:32