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はり治療はどうして眠くなるのか?

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「え、はりを刺されてどうして眠くなるの?」と思う人は多いことでしょう。はりは痛いものという潜入観念をお持ちの方が多いですから、とてもこういう話は、ついていけない人がほとんどではないかと思います。でもやっぱり、わたしから、「はり治療」を受けた患者さんは、気持ちよく寝てしまわれるのです。ほとんどの例外もなく。

 あのよく、鍼灸院かなんかで、「はり」をまとめてうっておいて、後は寝かせておくということで20分から30分くらい、暗いベットの部屋で放置されておかれるのとは、ちょっと違います。あれでは、何もやることもなく、ただ、寝るか、起きていて「はり」を抜いてくれるか待つしかない。という状況とは、ちょっと違います。みんな、気持ちよくぐったり、時間がたつのも忘れて、寝ていらっしゃるのです。

 実はこれは、「ベーター・エンドルフィン」が関与しているのです。人間のからだの皮膚の下や筋肉の中に感覚受容器というものがあって、この受容器にはりの刺激が伝わると、後は、ずっと手や足を通って背骨の脊髄を通って脳に到達します。そうするとの腕はそれを受けて、「ベーター・エンドルフィン」という神経伝達物質が産生されるのです。この物質は、例えるなら、麻薬とか、麻酔に似たような物質です。ただし、人間の脳が作り出す物質ですから、人間が化学で作り出すような、そんなチャチなものではありません。薬が合わなかったり、強すぎたり、副作用として様々な悪影響を及ぼすような、マイナスな作用はいっさいありません。

 実は、これが「はり治療が、患者さんをぐっすり眠くさせる」主な原因なのです。「はり」というのは基本的には、痛くはありません。ただ、「ウソ〜、この前はりをやったんだけど、すごく痛かったよ」と言う患者さんもいるかと思いますが、それについて説明させてもらいます。実は痛みと言うことであれば、確かに思い当たる点はあります。

 実は、痛みには2種類ありまして、皮膚をつねられるような痛みを、「切皮痛(せっぴつう)」といいます。治療者が、患者さんの皮膚に「はり」をうつ時、「針管(しんかん)」というものをたてます。はりが皮膚に入る時に痛みがないように、つくられた補助具のような役割をするものです。ところが、治療者も気をつけますが、どうしても押さえる時に皮膚をよじってしまい、そのよじられた状態にはりが刺さってしまうと、さっきいった「切皮痛」と言うのが起こってしまうのです。

 後もう一つは、ズーンとか、ビビビとか、ズシーンとか、響くような痛みを伴う場合があります。これは、「はり」特有の「ひびき」といいます。実はこれは、これがあった時には、その「はり」は確実に後で効果をもたらします。つまり、刺激が、感覚受容器にヒットして、脳に届いたと言う証拠なのです。もちろんこの時に、「ベーター・エンドルフィン」がでたことの証拠でもあるのです。ですから、このような痛さは、患者さんの方でも、前者の「切皮痛」とは、分けて欲しいのです。

 「はり」は、ステンレスという金属でできています。陰陽五行の「金のエネルギー」でもあります。金属の持つ高いエネルギーと共にからだそのものが持つエネルギーを調整しています。ですから、あなたが気持ちよく寝ている間に、あなたのからだは、痛みから解放されて、また、もとの元気なからだを取り戻そうとしているのです。だから、「はり治療」は、誰でも気持ちよく、ぐっすりと眠れてしまうのです。少しは理解していただけたでしょうか?