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肩こり腰痛はあなたへの大切なメッセージ

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 長く治療をやっていますと、いろんなことに気づかされます。治療院には、いろんな患者さんがやってきます。でもほとんどの患者さんに共通していえることは、すべての患者さんに肩こり腰痛がありました。もちろん、患者さんはいろんな症状で見えるわけです。頭痛、吐き気、めまい、ひじ痛、ひざ痛、手のしびれ、脚のしびれ、最近では、梅核気(ばいかくき)、むずむず脚症候群、自律神経失調、うつ病など疾患はいろいろであっても、すべての症状は、肩こり腰痛から始まるということです。

 わたしは、好奇心のかたまりのような人ですから、「これには何か意味があるのかな?」って頭の中でいろいろ考えてみます。そうすると、やはり「肩こり腰痛」は、何だかの意味を持ったメッセージではなかったのか?という気がしてならないのです。誰でもそうですが、よその家に行く時は、玄関で、軽く「ノック」します。それでも、家の人が気づかず出てくれない時には、ノックの音を大きくします。それでも、ダメな場合は、2回、3回、4回とノックの回数を増やしていきます。これと同じことが、病気のシステムにも起っているのです。ただし病気の場合は、「症状」です。はじめは、「肩こり腰痛」も軽いものからです。ところが、症状が、慢性化し、重症化していきますと、今度は、病気にと発展していくのです。

 少し具体的に例をあげますと、「腰痛」が慢性化しますと、みなさんよくご存知の「座骨神経痛」がおこります。また、「大腿神経痛」という場合もあります。更に重症化しますと「ひざ痛」になったり、その両方であったり、左右両側であったりということが起ってきます。これは例えですが、わたしが知る限りでは、身体の多くの箇所で、このような、「慢性化」「重症化」「両側化」ということがおこっていくのです。ですから、「肩こり腰痛」は、気づいてほしいための最初の「ノック」だということがいえるわけです。

 わたしは、よく患者さんにいうことは、「『痛み』というのは、本当は素晴らしいことなんですよね」といっては笑われます。「痛み」は、わたしたちにいろんなことを気づかさせてくれるやさしいメッセージのようなものなんです。わたしたちのような治療院には、痛みや辛さを感じないで来る患者さんは、まずいません。それから、「治療」を行なう時にも、痛いところが、「治療点」であることも間違いないのです。普通、何も症状がない人、健康な人は、どこをさわっても、痛みというものを感じないのです。そういう方は、本当に珍しい方で、ほとんどいませんが、いえることは、痛くなければ悪くはありません。痛ければ痛いほど、そこは症状が悪化しているのです。どうですか?わかっていただけましたか?「痛み」や「つらさ」というのは、意味がなくてあるわけがないのです。メッセージも「言語化」されているわけではなくと、このように「痛み」や「つらさ」を通して「対話」がなされるものなのです。

 ですから、わたしたち治療者は、「痛み」を通して、「からだとの対話=治療』を行なうのです。ですから、わたしたちが一番おそれていることは何かといいますと、その大切な「痛み」がなくなってしまうこと。それから、痛みを消されてしまうことです。あまりにひどい肩こり腰痛の患者さんも、もう自分では、痛みやつらさを感じなくなります。そうなると、必ず「病気」が始まっているのです。例えが、大げさかもしれませんが、癌も病状が進行すれば、「痛み」をともなわないそうです。そうなってしまうと、「治療」もできません。

 それから「『痛み』を消されてしまう」場合で申し上げますと、こちらの方が、わたしは声を大きく申し上げたいのですが、「鎮痛剤」「精神安定剤」というような薬を処方され、それを、常用されますと、「痛み」や「つらさ」はなくなります。それを患者さんは、「治った」とよく勘違いされるのです。さらにいわせてもらえば、それは「治った」のではなくて、「治す」方法を断たれてしまったということなのです。そのつけはいつか必ず、患者さん自身の身体にもどってくるはずなのです。ですから、「肩こり腰痛」とばかにかにされないで、大切な「メッセージ」なのだと耳を傾けていただきたいのです。