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どうして鎮痛剤は、鍼治療の妨げになるのですか?

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029.gifどうして鎮痛剤は、鍼治療の妨げになるのですか?

あの、わたしは前にもお話ししたことがあると思いますが、わたしは、急性腰痛(ぎっくり腰)のように激しい痛みの症状を訴える患者さんが見えても、あまり困ることはありません。そのくらいだから、腰痛や神経痛など、かなり痛みがある重症の患者さんでも、わたしの治療には、特に問題はありません。ただ、手術をされた後、このような痛みの症状を訴える場合。または、骨などの変形により、器質的な疾患がなければ、という条件は付きます。

それ以外は、大抵治療には、さしあたり問題はないのです。むしろ、患者さんが鎮痛剤を使用されている場合は、非常に治療は、やりにくい状態であることが多いです。これは、少しわかりずらいことなので、少し説明させてもらいますね。

みなさんは、「どうして、鎮痛剤は、鍼治療の妨げになるかわかりますか?」痛みがあれば、鎮痛剤を飲んで、痛みをやわらげるというのは、一見、自然な行為に思われます。現に私たちは、腰や膝などが痛いとき。または、頭痛や生理痛がおこった時には、ほとんどの方が、この鎮痛剤を使用されているようです。では鎮痛剤を飲むことで、腰痛や膝痛や頭痛や生理痛などの症状や問題は解決されたのでしょうか?もしそれで治ったといわれるなら、私たちの苦労はいりません。それはただ治したというのではなくて、痛みを一時的に押さえたということに過ぎません。その証拠に、薬の作用する時間が過ぎれば、また痛みはもどってくるからです。

じゃあそれは、治療とは言えないんじゃないですか?そうなんです治療ではないのです。患者さんがつらいと仰るから、一時的に痛みを遠ざけただけなんですよ。でもそれって、いつまでももつものじゃないんですね。その通りなんです。それどころか、薬の量は増えていくし、より強いものへと薬の強さのグレードが上がっていくだけなんですね。そうなんですか。段々薬が効かなくなっていくと、そういうことになるんですね。それじゃ困るんじゃあないですか?本当に困るんですよ。

困るついでに、今度は私たちの鍼治療をやっている立場になりますと、本当に困ってしまうんです。痛みを感じる神経の働きは、実は正常なものなんです。そうして患者さん自身に、体は何かを訴えているんです。注意とか警告とかね。私たちにからだの異状や緊急事態を知らせるように、全く正常な働きをしているんですね。ところが、鎮痛剤って、その神経の正常な働きをしているのを、鈍らせてしまう薬なんですよね。

こうなりますとね。今度は、痛みを発している患部を治療しようとした時に、どうしても必要な神経が、働きを鈍らせてしまっているので、今度は治そうとする時に働いてくれなくなってしまうんです。またはうんと働きが鈍くなってしまうんです。

実は鍼というのは大抵は、ツボに刺しますよね。ツボに刺すことで、その皮膚や筋肉の中にある。感覚受容器という、いわばセンサーの働きをしているものに、刺激が伝わるようになっています。そうすると今度は、感覚神経に乗って、背骨を通って、脳にその刺激が到達するんです。そうすると、今度は、脳からベーター・エンドルフィンという。神経伝達物質が、生成されて、それが痛みを治してくれるんです。だからどうしても、はり治療には神経の正常な働きというものが、必要だったんです。

どうですか、これで「どうして鎮痛剤は、鍼治療の妨げになるのか?」わかっていただけましたか?もちろん、鎮痛剤を飲んでいる人でも治療はできますよ。でも、その場合は、すぐによくなるのではなくて少しづつ良くなっていくんだって思って下さい。

もともと、鎮痛剤は、人間が、ベーター・エンドルフィンを真似て作ったものなのです。でも、こちらのベター・エンドルフィンは、もともと、私たちの体を作られた神様が作られたものですから、完璧なんですよ。だから、薬の副作用すら治してしまう働きがあるんです。ただ、そういう働きまで引き出すには少し時間がかかるのです。だから、やっぱり、私たちは、極力、鎮痛剤のような神経の働きを鈍らせてしまうような鎮痛剤や精神安定剤のようなものを飲むべきではないと思います。みなさんはどう思いますか?やっぱりそれでも、安くって手軽な方法を取りますか?たとえ治らなくても。