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「あなたは、どこが痛いのですか?」

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ほとんどの患者さんが正確に答えることができません。頭が痛い。頚が痛い。肩がこっている。背中が痛い。腰が痛い。お尻が痛い。膝が痛い。足首が痛い。このように、一つか二つくらいは、単発に答えることができますが、ほとんどの患者さんは、ご自分の身体なのに、どこが痛いのか答えることができません。

これには、訳があるのです。前にもこのブログの中にも書いていますが、「痛みは優先順位をつくる」のです。もし、あなたの一番つらいところが、頚だとします。そうしたら、腰の痛みも、お尻の痛みも、すべて、自覚することは、ありません。だから、「あなたは、どこが痛いのですか?」という質問に正格に答えられる人はいないのです。

だから、「痛みは、優先順位をつくって、通常は、一番つらくて助けてほしいところしか身体は、教えてくれないんだ」ということを覚えておいてほしいのです。でも、治療者自身も、そういうことを、是非知っていてほしいのです。そして、もう一つ知っていてほしいことがあります。「人間の身体は、すべては、ひとつながりである」ということをです。

もしあなたの目の前の患者さんが、「右の足首が痛い」といって、治療院に来られたとします。そういった場合は、この患者さんは、おそらく、頭痛。頚や肩こり。腰痛。座骨神経痛など。体中ほとんどどこも痛みだらけなのです。つまり、からだは、すべてがひとつながりで繋がっていて、単独で、痛みを発することはありません。

特に、身体の先端に行けばいく程、その痛みの症状は、重症なのです。はじめての患者さんの場合、予診で、身体の痛みを聞くだけで、この患者さんは、痛みがどの程度で、どこがつらいのかは、だいたいは、予測がつきます。

でも、前述したように、痛みは、優先順位をつけますので、身体の状態を正しく知ってもらう必要があります。そういう意味でも、わたしたち治療者は、問診や検査の段階で、患者さんが、自覚できなかった身体の痛みを、正格に知ってもらう必要があるのです。

もちろん、患者さんに、身体のどこが痛いのかを知ってもらう以上、治療者は、その痛みが、楽になるか、痛みを解消できるという治療ができるということが前提となります。でも実際は、なかなか、そこまで治療ができる治療者は、数少ないのかもしれません。